アセトアルデヒド(acetaldehyde) †
エタノールが肝臓でアルコール脱水素酵素の働きによって分解されると発生するアルデヒド。エタナール、酢酸アルデヒド、エチルアルデヒドなどとも。示性式は CH3CHO *1
常温で無色の液体または気体(沸点21℃)。果物のような香りを持ち、天然の果物や野菜、乳製品、煙草の煙などにも微量含まれる。酢酸の製造原料や食品添加物(香料)として使用される。*2*3
口腔の細菌がアルコールやグルコースを代謝して産生することが報告されている。*4
アルコール自体は肝臓へ直接的な毒性を持たないが、アルコールの代謝によって生じるアルデヒドは非常に強い毒性を持ち肝細胞を傷害するため、顔面紅潮(アジアンフラッシュ)や動悸、吐き気、眠気、頭痛、二日酔い、肝障害などの原因となる。*5
アセトアルデヒドは、さらに肝臓でアルデヒド脱水素酵素によって酢酸となり無毒化される。
出典: 肝臓におけるアルコール代謝の数理モデリング:肝障害の発生メカニズムとその予防策 京都大学数理解析研究所 石本健太、金沢大学医薬保健学域医学類 小泉吉輝、日本大学文理学部情報科学科 鈴木理
国際がん研究機関(IARC)は、2009年に「飲酒に関連したアセトアルデヒド」を発がん物質と認定している。
アセトアルデヒドはDNAと相互作用することによりアセトアルデヒドDNA付加体(アダクト)を形成することが知られ,アルコールの恒常的な多量摂取は,口腔・咽頭・喉頭・食道・胃・肝臓・結腸直腸・乳癌の原因となりうる.*6
*1アセトアルデヒド - 環境省: https://www.env.go.jp/chemi/report/h14-05/chap01/03/02.pdf
*2厚生労働省 アセトアルデヒドを添加物として定めることに係る食品健康影響評価に関する審議結果(案): http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/06/dl/s0623-5c.pdf
*3acetaldehyde | CH3CHO - PubChem: https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/acetaldehyde
*4舌表面の汚れはアセトアルデヒドの発生源 - 国立大学法人 岡山大学: https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id280.html
*5肝臓におけるアルコール代謝の数理モデリング:肝障害の発生メカニズムとその予防策 京都大学数理解析研究所 石本健太、金沢大学医薬保健学域医学類 小泉吉輝、日本大学文理学部情報科学科 鈴木理: http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1863-05.pdf
*6九州大学大学院医学研究院 臨床薬理学分野 吉原達也 笹栗俊之 ALDH2 遺伝子多型と臨床医学: http://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/handle/2324/21977/p082.pdf
*2厚生労働省 アセトアルデヒドを添加物として定めることに係る食品健康影響評価に関する審議結果(案): http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/06/dl/s0623-5c.pdf
*3acetaldehyde | CH3CHO - PubChem: https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/acetaldehyde
*4舌表面の汚れはアセトアルデヒドの発生源 - 国立大学法人 岡山大学: https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id280.html
*5肝臓におけるアルコール代謝の数理モデリング:肝障害の発生メカニズムとその予防策 京都大学数理解析研究所 石本健太、金沢大学医薬保健学域医学類 小泉吉輝、日本大学文理学部情報科学科 鈴木理: http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1863-05.pdf
*6九州大学大学院医学研究院 臨床薬理学分野 吉原達也 笹栗俊之 ALDH2 遺伝子多型と臨床医学: http://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/handle/2324/21977/p082.pdf
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このページの最終更新日時: 2018-08-19 (日) 15:13:10