アポトーシス(apoptosis)

細胞死のひとつ。遺伝的にプログラムされた生理的で無害な細胞死。ギリシャ語で離れて(apo-)落ちる(ptosis)という意味。*1*2

オタマジャクシが蛙に成長する過程で尻尾をなくしたり、人間の胎児にある水かきが消滅するのはアポトーシスによるものである。対して、病気などによる炎症反応を起こす細胞死ネクローシスと呼ぶ。*3

通常、アポトーシスは炎症を伴わないが、大量のアポトーシスが一度に起こる場合は炎症が起こる場合があるとされる。

生体内でアポトーシス細胞が生じると、マクロファージなどの貪食細胞により貪食・除去され、その際、炎症は伴わない。一方、多量のアポトーシス細胞組織内で発生すると貪食細胞により除去しきれずに二次的ネクローシスに陥る。その際、細胞小器官を構成する膜の破壊、細胞の膨化、細胞溶解を引き起こし、その結果、組織内で激しい炎症が引き起こされる。*4

アポトーシス関連の遺伝子変異が生じるとがん化しやすくなる。*5

アポトーシスの流れ

まず、細胞小器官を正常に保ったまま細胞核の収縮、断片化が起こり細胞全体が断片化する。*6

断片化した細胞の一部はアポトーシス小体と呼ばれ、これがマクロファージなどの貪食細胞に取り込まれる(ファゴサイトーシス)。

その中でファゴソームと呼ばれる細胞小胞に封じ込められ、このファゴソーム加水分解酵素を持つリソソームと融合し、取り込んだ死細胞消化する。*7

アポトーシスを起こした細胞からは、通常はほとんどが細胞内にあるホスファチジルセリン細胞外に出てくる。*8

アポトーシスシグナル伝達経路

カスパーゼ3を活性化するまでの経路には以下の2つがある。*9

*1解剖・栄養生理学: http://ocw.eiyo.ac.jp/shokubunka/eiyo_seiri/pdf/lecture2.pdf
*2ナツメ社 埼玉医科大学リウマチ膠原病院 教授 三村俊英 基礎からわかる免疫学
*3メカニズム|海藻由来酵素消化低分子化フコイダンの抗腫瘍効果の研究: http://www.agr.kyushu-u.ac.jp/lab/crt/fe/mechanism.html
*4山口正昭 ネクローシス細胞による炎症応答に対する老化の影響 指導教員 永田喜三郎 准教授 東邦大学 理学研究科 生物分子科学専攻 分子医学部門 永田研究室: http://rep.toho-u.ac.jp/modules/xoonips/download.php/183.pdf?file_id=107
*5技術評論社 桂義元 免疫はがんに何をしているのか? 見えてきた免疫のメカニズム 2016/12/25
*6昭和大学 生物化学部門 細胞の死: http://www10.showa-u.ac.jp/~biolchem/H20-P2cell-11.pdf
*7国立大学法人 徳島大学 2013年度(平成25年度)講義資料 老化の生化学: http://www.tokushima-u.ac.jp/med/culture/sutoresu/info/2013102800018/files/1009.pdf
*8東邦大学名誉教授 小林芳郎 マクロファージ-死細胞を取り込んだマクロファージの応答-: http://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/macrophage/main/apo-02.html
*9クラミジアの持続感染と宿主アポトーシス制御、そして多様な慢性感染症: https://kindai.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=5779&item_no=1&page_id=13&block_id=21

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このページの最終更新日時: 2019-09-30 (月) 16:56:28