アルギン酸(alginic acid) †
マンヌロン酸とグルロン酸からなる直鎖のヘテロ多糖。昆布やわかめなど褐藻類の細胞外基質の主成分となる。その含量は乾燥重量の約30%を占めるとされる。海藻(Algae)から得られる酸性物質であることからその名が付けられた。*1*2*3
その性状から食品の増粘剤やゲル化剤などとして利用される。マンヌロン酸を多く含むアルギン酸は柔らかく弾性の高い性状を示し、グルロン酸を多く含むアルギン酸は硬く脆い性状になる。*4
アルギン酸が金属イオンを結合するのは、主に脱プロトン化したカルボキシル基(COO-)であることはアルギン酸の構成単糖であるβ-D-マンヌロン酸とα-L-グルロン酸の化学構造から容易に推測される。*5
水に溶けると、なめらかな粘りのあるコロイド溶液となる。その粘性はアルギン酸の重合度に比例する。
ナトリウム塩であるアルギン酸ナトリウムは消化性潰瘍の止血に用いられる。商品名はアルクレイン、サンメール、アルト。*6
血小板や赤血球の凝集を促進する作用を持つ。出血部位に付着したアルギン酸は血液の拡散を防止して止血血栓の形成を促進するとされる。
タグ: 海藻 ヘテロ多糖 多糖類 マンヌロン酸 グルロン酸 医薬品 食品添加物
*1東京理科大学Ⅰ部化学研究部 人工イクラ 2001年度 木曜班: http://www.ed.tus.ac.jp/~kaken/studies/01/01_thu.pdf
*2公立大学法人 福岡女子大学 アルギン酸: http://www.fwu.ac.jp/~yoshimura/sotsugyousei/2004/matsunaga/%e3%82%a2%e3%83%ab%e3%82%ae%e3%83%b3%e9%85%b8.ppt
*3アルギン酸類の概要と応用 宮島千尋: https://www.jstage.jst.go.jp/article/fiber/65/12/65_12_P_444/_pdf
*4藻食性腹足類のPL-14酵素が褐藻アルギン酸を効率的に分解する仕組み: https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2017/20170220-1.html
*5神戸大学 環境分子物理化学研究室 アルギン酸による金属吸着: http://www.edu.kobe-u.ac.jp/ans-bpc/gaiyou2.html
*6くすりの事典 2020年版 片山志郎 成美堂出版(2019/6/30): https://amzn.to/3i8J1I1
*2公立大学法人 福岡女子大学 アルギン酸: http://www.fwu.ac.jp/~yoshimura/sotsugyousei/2004/matsunaga/%e3%82%a2%e3%83%ab%e3%82%ae%e3%83%b3%e9%85%b8.ppt
*3アルギン酸類の概要と応用 宮島千尋: https://www.jstage.jst.go.jp/article/fiber/65/12/65_12_P_444/_pdf
*4藻食性腹足類のPL-14酵素が褐藻アルギン酸を効率的に分解する仕組み: https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2017/20170220-1.html
*5神戸大学 環境分子物理化学研究室 アルギン酸による金属吸着: http://www.edu.kobe-u.ac.jp/ans-bpc/gaiyou2.html
*6くすりの事典 2020年版 片山志郎 成美堂出版(2019/6/30): https://amzn.to/3i8J1I1
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このページの最終更新日時: 2022-11-21 (月) 10:38:01