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エボラ出血熱(Ebola hemorrhagic fever)

エボラウイルスによる、高熱からの出血を伴う感染症ウイルス性出血熱に分類される。必ずしも出血が起こるわけではないので、エボラウイルス病EVD)とも呼ばれる。2014年までの患者数は約2000人で致命率は54%。

上記以外の症状としては、強い脱力感、筋肉痛頭痛痛みなどに始まり、嘔吐下痢発疹出血傾向肝臓および腎臓の機能低下など。検査所見では白血球血小板の減少と肝臓酵素値の上昇が確認される。*1

主にアフリカで見られるが、血液の接触によって感染するため、医療従事者の移動によって広がる例も確認されている。*2

ヒトへの感染の発端が、アフリカでは熱帯雨林の中で発見された、感染して発症または死亡した野生動物(チンパンジー、ゴリラ、オオコウモリ、サル、レイヨウ、ヤマアラシなど)をヒトが触れたことによると示唆される事例が報告されている。*3

エボラウイルス変異しやすく、治療や予防が困難とされる。

マラリア薬のアーテスネートアモジアキンが死亡率を減少させることが確認されており、治療薬の候補となっている。この薬剤に含まれているアモジアキンには抗エボラウイルス活性があることが実験で確認されていた。*4

*1大阪大学医学部附属病院 エボラ出血熱について 感染制御部: https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/hp-infect/file/ictmon/ictmon217.pdf
*2エスカルゴサイエンス 生田哲 感染症と免疫の仕組み
*3国立感染症研究所 エボラ出血熱とは: http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/342-ebola-intro.html
*4長崎大学 平成27年1月7日 マラリア治療薬がエボラウイルス病にも効果 鈴木基助教らのMSFの研究チームが発見: http://www.ccpid.nagasaki-u.ac.jp/wp-content/uploads/2017/08/03document2_280218.pdf

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このページの最終更新日時: 2019-05-08 (水) 17:53:16