カルシウム(calcium, Ca)

金属元素の一つ。人体に最も多いミネラルで、体重の約2%(約1kg)を占めている。*1

生体ミネラルの中で Ca が最も多く,生体の構造維持に必要な骨格を形成している。以外(体液中や細胞内)で Ca はカルシウムイオン(Ca2+)として存在し,生体機能調節に極めて重要な役割を演じている。*2

体内のカルシウム濃度はビタミンD副甲状腺ホルモンカルシトニンの3つによって調節されている。*3

カルシウムの働き

カルシウム全体の99%はの成分(ハイドロキシアパタイト)として存在する。血液細胞中のカルシウムが少ない場合は、破骨細胞によってが溶かされて補充される。*4*5

血清中のカルシウムは遊離したイオンとして50%、アルブミンと結合したものが40%、クエン酸などとの複合体として10%が存在する。生理的作用を持つのはイオンとして存在するもののみ。*6

細胞内のカルシウムイオンセカンドメッセンジャーとして働く。細胞外からの刺激によって細胞内のカルシウムイオン濃度の変動が生じるが、これが細胞の増殖や細胞死筋肉の収縮、免疫応答などに関わっている。例えば、心臓の収縮にはカルシウムイオンである Ca2+ が重要な働きをする。*7*8

ミトコンドリアおよび小胞体中のカルシウムイオン濃度は、細胞質より1000~10000倍高い。*9

また、止血にも関与しており、血小板からカルシウムが放出される。*10

カルシウムの推奨摂取量*11

年齢(歳)性別ごとの推奨量(mg)
男性女性
1~2450400
3~5600550
6~7600550
8~9650750
10~11700750
12~141000800
15~17800650
18~29800650
30~49650650
50~69700650
70~700650

上限量: 2500mg

カルシウムの吸収に関して

食品によって吸収率が異なることが知られている。

品に含まれているカルシウムはそのすべてが体内に吸収されるのではなく、最も吸収率の高い牛乳・乳製品でも約50%しか吸収されません。さらに、食品添加物に含まれるリン酸塩は、カルシウムの吸収を阻害します。*12

乳製品?の吸収率が高いのはカゼインホスホペプチドCPP)の作用とされる。カルシウムは大部分が十二指腸から吸収され、残りは空腸上部で吸収される。吸収率は思春期で45%、成人で25〜30%とされる。カルモジュリンがあると能動輸送によって吸収率が高まる。*13

ビタミンDラクトース、適度な運動フラクトオリゴ糖クエン酸はこの吸収を促進する。逆にフィチン酸シュウ酸リン酸塩食物繊維の過剰摂取は吸収を阻害する。

カルシウムを吸収するには、肝臓腎臓で活性化されたビタミンDが必要となる。紫外線を浴びることでビタミンDが活性化され、カルシウム吸収率が上がる。*14*15

吸収されなかったカルシウムは便で排泄される。吸収されても使われなかった分は尿便によって排出される。

カルシウムの過剰症

ミルクアルカリ症候群が知られている。

*1西東社 カラー図解 栄養学の基本がわかる事典 川島由起子(2013/4/4): https://amzn.to/2tzGwYt
*2興奮性細胞における細胞内カルシウム イオン濃度の調節: https://shudo-u.repo.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_action_common_download&item_id=2154&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1&page_id=13&block_id=28
*3京都大学-お知らせ/ニュースリリース 2007年6月15日 哺乳類のカルシウム調節の仕組みを解明(上皮小体疾患や骨粗鬆症、くる病などの診断・治療法の開発にはずみ): http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/070615_11.htm
*4女子栄養大学 骨のある話: http://www.eiyo.ac.jp/recipe/sp/nutrition/view/id:5.html
*5PHP研究所 坂井建雄 監修 骨のひみつ 人体のしくみがよくわかる! 2015/9/7
*6西東社 カラー図解 栄養学の基本がわかる事典 川島由起子(2013/4/4): https://amzn.to/2tzGwYt
*7総合生命科学部 永田和宏教授と潮田亮研究助教らのグループが、ジスルフィド還元酵素ERdj5がSERCA2bのジスルフィド結合を還元することを解明 | 京都産業大学: https://www.kyoto-su.ac.jp/news/20161001_345_kenkyu_masu01.html
*8細胞内のカルシウム濃度を一定に保つメカニズムを解明: http://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20160929_01web.pdf
*9細胞内の高濃度カルシウムイオンをとらえるセンサーを開発 ミトコンドリア・小胞体内カルシウムシグナルの可視化: http://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/admin/release_20140616.pdf
*10鳥取大学医学部 N教授Website: http://www.ninomiya.med.tottori-u.ac.jp/homepage/BL3.html
*11日本人の食事摂取基準(2015年版)スライド集: http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000056112.html
*12慶應義塾大学保健管理センター|健康情報シリーズ: http://www.hcc.keio.ac.jp/japanese/education/series/series201407.htm
*13西東社 カラー図解 栄養学の基本がわかる事典 川島由起子(2013/4/4): https://amzn.to/2tzGwYt
*14慢性腎臓病の合併症: http://www.twmu.ac.jp/NEP/mansei-gappei.html
*15カルシウム欠乏と骨粗鬆症(その2): http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~hoken/03healthmente/jyosei/hone-2.html

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このページの最終更新日時: 2019-03-08 (金) 10:09:12