グルタミン酸(glutamate, glutamic acid) †
中枢神経系において主要な興奮性神経伝達物質で、脳の70%の神経細胞が神経伝達物質として用いる。記憶や学習などに重要な役割を果たす。*1 *2
情報伝達の役割を終えたグルタミン酸は主にアストロサイトに取り込まれ、グルタミン合成酵素によりグルタミンに変換されてアストロサイト外に放出される。その後シナプス前終末に取り込まれてグルタミン酸に変換され、再度シナプス小胞に蓄えられる。
一方、グルタミン酸が過剰に増えると、興奮毒性と呼ばれる神経細胞障害作用が起こる。
食品の旨味成分であり、味覚細胞にはグルタミン酸受容体が存在する。納豆の糸や昆布、チーズ、トマトに多く含まれる。調味料にはグルタミン酸ナトリウムとして含まれる。*3
神経細胞ではグルタミン酸による興奮性刺激によって NGF mRNA 発現が誘導,増強されることが報告された. NGF以外にも brain-derived neurotrophic factor (BDNF)や Fibroblast growth factor-2 (FGF-2)など多くの神経栄養因子がこの興奮性神経活動による産生調節を受ける.*4
アミノ酸の中でもグルタミン酸の摂取が個体の飲水量を増加させることにより、細菌感染性の下痢にともなう脱水症を抑制することが報告されている。*5
*1トランスポーターの基礎 グルタミン酸トランスポーター 田中光一: http://www.tmd.ac.jp/mri/aud/resources/CLINN2.pdf
*2興奮性アミノ酸とカルシウムについての一般的な調節: http://www.m.ehime-u.ac.jp/school/orthopedic/research/EAA.htm
*3技術評論社 石浦章一 タンパク質はすごい! 心と体の健康を作るタンパク質の秘密(2014/1/5)
*4神経栄養因子の基礎研究とその医学的応用: https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/135/11/135_15-00219/_pdf
*5アミノ酸摂取が感染性の下痢に伴う脱水症を防ぐことを発見-脱水症リスクの高い高齢者や乳幼児の「かくれ脱水」予防効果も期待-:[慶應義塾]: https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2021/6/9/28-80577/
*2興奮性アミノ酸とカルシウムについての一般的な調節: http://www.m.ehime-u.ac.jp/school/orthopedic/research/EAA.htm
*3技術評論社 石浦章一 タンパク質はすごい! 心と体の健康を作るタンパク質の秘密(2014/1/5)
*4神経栄養因子の基礎研究とその医学的応用: https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/135/11/135_15-00219/_pdf
*5アミノ酸摂取が感染性の下痢に伴う脱水症を防ぐことを発見-脱水症リスクの高い高齢者や乳幼児の「かくれ脱水」予防効果も期待-:[慶應義塾]: https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2021/6/9/28-80577/
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このページの最終更新日時: 2021-06-20 (日) 21:32:36