グレリン(ghrelin) †
胃や膵臓、脳の視床下部弓状核、ランゲルハンス島のε細胞やα細胞などから分泌されるホルモン。28個のアミノ酸から構成される。空腹や低血糖によって主に胃の内分泌細胞(X/A様細胞)から放出される。*1*2
唯一の末梢組織で産生されて摂食を促進するペプチド。末梢組織から空腹のシグナルを中枢神経に伝える。グレリンは求心性迷走神経活動を低下させ、情報が延髄孤束核を介して視床下部に伝えられることで摂食を促す考えられている。*3*4
迷走神経を介して胃などの消化管運動の亢進や胃酸の分泌、脳下垂体のGHSRに作用して成長ホルモンの分泌促進、間接的にIGF-1を分泌させることでタンパク質の同化促進などの作用を持つ。さらに血圧降下、インスリン分泌制御、炎症性サイトカイン放出抑制などの作用も報告されている。*5
活性化型のアシルグレリンと不活性型のデスアシルグレリンの2種類のアイソフォームがある。アシルグレリンはN末端から3位に位置するセリン残基のヒドロキシ基がオクタン酸によりエステル結合を介してO-アシル化される脂質修飾を受けている。*6
*1新規成長ホルモン分泌促進ペプチド; グレリン(Ghrelin) に関する研究 | 生化学部 | 各部のご紹介 | 国立循環器病研究センター研究所: http://www.ncvc.go.jp/res/divisions/biochemistry/02-theme01.html
*2グレリンとその受容体、およびグレリン脂肪酸転移酵素の比較内分泌学 椎村祐樹、中村祐樹、佐藤貴弘、児島将康(久留米大学分子生命科学研究所): https://www.jstage.jst.go.jp/article/nl2008jsce/39/150/39_159/_pdf
*3胃から発見された摂食亢進ペプチド:グレリン 中里雅光: http://jams.med.or.jp/symposium/full/124045.pdf
*4中枢性摂食調節機構について 空腹・満腹のメカニズム 太田一樹(管理栄養学科・教授): https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20170530175924.pdf?id=ART0009880616
*5がん悪液質の病態と管理 片山寛次 福井大学医学部附属病院がん診療推進センター: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspen/30/4/30_917/_article/-char/ja/
*6無細胞タンパク質合成系を用いた脂質修飾タンパク質の網羅的探索と機能解析 内海俊彦: http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2013/05/82-09-02.pdf
*2グレリンとその受容体、およびグレリン脂肪酸転移酵素の比較内分泌学 椎村祐樹、中村祐樹、佐藤貴弘、児島将康(久留米大学分子生命科学研究所): https://www.jstage.jst.go.jp/article/nl2008jsce/39/150/39_159/_pdf
*3胃から発見された摂食亢進ペプチド:グレリン 中里雅光: http://jams.med.or.jp/symposium/full/124045.pdf
*4中枢性摂食調節機構について 空腹・満腹のメカニズム 太田一樹(管理栄養学科・教授): https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20170530175924.pdf?id=ART0009880616
*5がん悪液質の病態と管理 片山寛次 福井大学医学部附属病院がん診療推進センター: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspen/30/4/30_917/_article/-char/ja/
*6無細胞タンパク質合成系を用いた脂質修飾タンパク質の網羅的探索と機能解析 内海俊彦: http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2013/05/82-09-02.pdf
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このページの最終更新日時: 2019-12-21 (土) 10:49:14