ケトン体(ketone body)

ヒトの肝臓において、空腹時に脂質の分解によって生成される以下のケトンの総称。全て強い酸性を示す有機化合物*1

ケトン体は肝臓では分解することができない。水溶性であり、血液によって心臓筋肉へ移動する。細胞膜を通過しやすい性質がある。細胞内でアセチルCoAとなりクエン酸回路代謝される。アセトン以外はグルコースの欠乏時にのエネルギー源として利用される。*2*3*4

肝臓で生成されたケトン体肝臓では利用されず,血中に放出されて骨格筋などの組織に取り込まれアセチルCoAに変換された後,TCAサイクル酸化分解される。*5

また、乳児グルコースよりも乳脂肪から得られるケトン体を主な栄養源にしており、新生児の血管内皮細胞ではモノカルボン酸トランスポーター発現が優勢である。*6

ケトン体はミトコンドリアで完全に酸化されるため、高いエネルギー効率を持つとされる。また神経細胞の保護作用が報告されている。*7

体内のケトン体が過剰に増加するとケトーシスケトン症)となる。糖尿病などで見られる。

インスリンが補充されないと、血液中にケトン体という脂質代謝産物がたまって、ケトーシスという状態におちいります。ケトン体は強い酸性の物質のため、血液が過度に酸性になり、重症な場合には昏睡状態におちいることもあります(これを糖尿病性ケトアシド-シスといいます)。*8

*1ヒト皮膚から放散する微量生体ガスと臨床環境 関根嘉香 東海大学理学部化学科: https://i.kawasaki-m.ac.jp/jsce/jjce25_2_69.pdf
*2血中ケトン体分画(動脈)AKBR(arterial blood ketone body ratio): https://www.okayama-u.ac.jp/user/hos/kensa/tousitu/akbr.htm
*3福岡大学 理学部 機能生物科学研究室 ケトン体合成: http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/ketone.htm
*4西東社 カラー図解 栄養学の基本がわかる事典 川島由起子(2013/4/4): https://amzn.to/2tzGwYt
*5日本栄養・食糧学会誌 酢酸の生理機能性 山下広美: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/67/4/67_171/_article/-char/ja/
*6北海道大学 大学院医学研究科 解剖学講座 組織細胞学分野 岩永敏彦 トランスポーターの発現解析による未分化幹細胞と癌細胞の栄養特性および医学応用: https://ueharazaidan.yoshida-p.net/houkokushu/Vol.25/pdf/036_report.pdf
*7ミトコンドリアを活性化する成分を探索し、 長寿のメカニズムを解き明かしたい! | 2016年のトピックス | トピックス | 東京工科大学: http://www.teu.ac.jp/topics/2016.html?id=224
*8浜松医科大学 健康社会医学講座 糖尿病の病型分類: http://www2.hama-med.ac.jp/w1a/health/old_site/kyouiku/jisshu/1998_05/1998_05_type.html

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このページの最終更新日時: 2018-04-16 (月) 09:05:06