コーヒー(coffee) †
コーヒーノキの種子(コーヒー豆)を乾燥させて炒り、粉にして熱湯で浸出した黒色の飲料。
コーヒーの健康効果 †
コーヒーは抗酸化作用のあるカフェインやポリフェノール(クロロゲン酸、カフェ酸、フェルラ酸)が含まれており、がん予防効果が報告されている。
東北大学大学院医学系研究科の発表(2010年 The Journal of Nutrition発表)によれば、女性においてのみ、コーヒーによる血管系疾患の発症低下効果があることが確認されたとしている。*1
しかし、後の国立がん研究センターの報告(2015年5月7日)によると、約9万人を19年間追跡した結果、コーヒーを毎日(一日4杯まで)飲む人は男女ともに、心臓病や脳卒中などの死亡率が低い傾向があることが発表されている。
すなわち、コーヒーを1日3~4杯飲む人の死亡リスクは、全く飲まない人に比べ24%低いことが分かりました。さらに、飲む量が増えるほど危険度が下がる傾向が、統計学的有意に認められました。研究開始から5年以内の死亡例を除いた場合や、男女別の場合も検討しましたが、コーヒーと死亡リスクとの間には同様の関連がみられました。*2
同センターはその後、コーヒーや緑茶が脳腫瘍を予防する効果があることも発表している。*3
コーヒーががんの予防する理由は、糖の消費を促進してインスリンの分泌を抑制するためとされる。
コーヒーは膵臓、大腸、子宮体がんなど、糖尿病や肥満、運動不足がリスク要因となるがんを予防することが分かっています。コーヒーを飲むと、運動したのと同様に糖の消費が進みます。このため、体内で血糖値を下げるホルモンの「インスリン」を分泌する必要がなくなります。一方、インスリンは糖尿病や運動不足が原因となるがんを増殖させる傾向がありますので、コーヒーはがんと糖尿病の双方の予防に役立つことになります。*4
また、コーヒーの摂取によるアラニンアミノ基転移酵素の値の低下が確認されている。コーヒーの香りに関する実験では、コーヒーの香りはストレス因子の抑制効果があることが確認された。焙煎したコーヒー豆には、痛風の原因となるキサンチンオキシダーゼを阻害する効果も確認されている。*5*6*7
トリゴネリンを大量に含み、焙煎の過程で一部がニコチン酸に変化している。*8
コーヒーと頭痛 †
カフェインを摂取することで脳の血管が収縮するため、頭痛が起きたり、逆に片頭痛などであれば痛みが和らいだりすることがある。*9
*2コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ: http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3527.html
*3コーヒー・緑茶摂取と脳腫瘍罹患との関連について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ: http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3860.html
*4中央公論新社 中川恵一 知れば怖くない 本当のがんの話 (2017/1/15)
*5大阪市立大学 C 型慢性肝疾患患者で毎日のコーヒー摂取が肝機能改善に効果: https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/pdfs/20131211press.pdf
*6香りがストレスを抑制する?不眠ストレスに対するコーヒーアロマの癒し効果 | 生物学科 | 東邦大学: http://www.toho-u.ac.jp/sci/bio/column/019258.html
*7大阪市立大学 大学院 生活科学研究科・生活科学部: http://www.life.osaka-cu.ac.jp/report/rep25.html
*8トリゴネリンの生合成と代謝並びにその生理作用 田口寛: https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/62/10/62_KJ00001708480/_article/-char/ja/
*9中村学園大学・中村学園大学短期大学部 筋緊張性頭痛: http://www.nakamura-u.ac.jp/~hoken/headache3-topics.html
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