セレン(selen, Se) †
人体に必須のミネラル。食品中にはセレノシステインなどのようにアミノ酸と結合した形で含まれる。
体内には約13mgあり、ほとんどがタンパク質と結合して存在する。その形態によって吸収率が変化する(セレノメチオニンは80〜90%、セレノシステインは50〜70%)。セレンを含むタンパク質は25種類が知られている。グルタチオンペルオキシダーゼに必須な補助因子。またヨードチロニン脱ヨウ素酵素の成分として甲状腺ホルモンの活性化に関わる。*1
国内では土壌のセレン濃度が高いため、植物に十分な量が含まれており不足することは稀とされる。逆に、ミネラルの中では毒性が強く、過剰症に注意が必要。
セレンの欠乏症 †
セレンが不足した場合に現れる症状には以下のようなものがある。*2
セレンの欠乏症・過剰症 †
セレンには過剰摂取による過剰症の危険があるとされる。初期症状として爪の変形や脱毛。
セレンは魚介類や海草類、穀類に比較的多く含まれる微量栄養素であり、人の健康の維持に必須なもので、不足すると心筋障害、発育不全や老化、消化器の病気など欠乏症が起きます。しかし、セレンをサプリメントなどにより過剰摂取すると爪の変形や脱毛、胃腸障害、下痢、神経障害など過剰症が起きることが知られています。*3
セレン過剰で,嘔気,嘔吐,腹痛,吐血,急性腎不全,胃炎,洞頻脈,尿細管壊死,高ビリルビン血症,心電図異常が報告されており,「日本人の食事摂取基準2015年版」のセレンの耐容上限量以上を長期に投与することは危険である.*4
セレンの過剰摂取時には、解毒代謝の過程で生じるジメチルセレニドが呼気中に、トリメチルセレノニウムイオンが尿中に排泄される。*5
*1西東社 カラー図解 栄養学の基本がわかる事典 川島由起子(2013/4/4): https://amzn.to/2tzGwYt
*2セレン欠乏症の診療指針 2015: http://www.jscn.gr.jp/pdf/selen20150717.pdf
*3大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A:農林水産省: http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_daizu_qa/#b5
*4セレン欠乏症の診療指針 2015: http://www.jscn.gr.jp/pdf/selen20150717.pdf
*5摂南大学薬学部 亜セレン酸ナトリウムの経口曝露レベルとラット尿及び呼気中メチル化代謝物の関係: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhs1956/42/4/42_4_340/_article/-char/ja/
*2セレン欠乏症の診療指針 2015: http://www.jscn.gr.jp/pdf/selen20150717.pdf
*3大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A:農林水産省: http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_daizu_qa/#b5
*4セレン欠乏症の診療指針 2015: http://www.jscn.gr.jp/pdf/selen20150717.pdf
*5摂南大学薬学部 亜セレン酸ナトリウムの経口曝露レベルとラット尿及び呼気中メチル化代謝物の関係: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhs1956/42/4/42_4_340/_article/-char/ja/
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このページの最終更新日時: 2020-12-13 (日) 14:15:51