チオラ †
チオラとは、主として肝臓の代謝機能を改善する目的や、妊娠高血圧症候群における尿蛋白の減少などを目的に用いられる医療用医薬品であり、有効成分としてチプロニンジを含有する含硫アミノ酸の1種である*1。
チオラの有効成分であるチプロニンジは、化学名をN-(2-mercaptopropionyl)-glycineと称し、分子内にチオール基を有している化合物である*2。このチオール基が持つ高い反応性により、様々な生体内の代謝系や解毒機構に関与すると考えられている。医療分野においては、肝疾患における解毒作用の強化や代謝障害の改善を期待して臨床使用されてきた歴史がある*3。
薬理学的な特徴として、チオラは細胞内のグルタチオン代謝や肝臓の酵素系に作用し、活性酸素やフリーラジカルといった生体に有害な物質を消去あるいは解毒する抗酸化作用的な役割を果たすことが知られている*4。また、蛋白質のスルフィド基との間で交換反応を行うことが可能であり、タンパク質の構造維持や機能調節にも寄与するとされている*5。
適応症としては、慢性肝疾患における肝機能の改善のほか、産婦人科領域において妊娠高血圧症候群の病態改善、特に尿蛋白の排泄を抑制する目的で投与されることがある*6。妊娠高血圧症候群は血管障害や腎機能の低下を伴うことが多いため、尿蛋白の軽減は母体および胎児の予後を改善する上で重要な臨床的意義を持つとされる*7。
投与にあたっては、医師の処方が必要な処方箋医薬品であり、錠剤などの剤形で提供されている*8。副作用としては、消化器症状として悪心や食欲不振、下痢などが現れることがあるほか、皮膚の発疹やかゆみなどの過敏症反応、さらには長期間の使用や高用量の投与によって味覚異常や嗅覚異常が生じる場合があることが知られている*9。さらに、まれに肝機能障害や黄疸、血液障害などの重篤な副作用が発現する可能性もあるため、定期的な血液検査や肝機能検査を実施しながら慎重に投与されるべき医薬品である*10。
*2医薬品医療機器総合機構: チオラ錠100mg インタビューフォーム: https://www.pmda.go.jp/drugs/2012/i120611/40026000_2649001F1020_I_01_1.pdf
*3医薬品医療機器総合機構: チオラ錠100mg インタビューフォーム: https://www.pmda.go.jp/drugs/2012/i120611/40026000_2649001F1020_I_01_1.pdf
*4KEGG DRUG: 医療用医薬品: チオラ: https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=DS004936
*5医薬品医療機器総合機構: チオラ錠100mg インタビューフォーム: https://www.pmda.go.jp/drugs/2012/i120611/40026000_2649001F1020_I_01_1.pdf
*6KEGG DRUG: 医療用医薬品: チオラ: https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=DS004936
*7医薬品医療機器総合機構: チオラ錠100mg インタビューフォーム: https://www.pmda.go.jp/drugs/2012/i120611/40026000_2649001F1020_I_01_1.pdf
*8KEGG DRUG: 医療用医薬品: チオラ: https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=DS004936
*9医薬品医療機器総合機構: チオラ錠100mg インタビューフォーム: https://www.pmda.go.jp/drugs/2012/i120611/40026000_2649001F1020_I_01_1.pdf
*10医薬品医療機器総合機構: チオラ錠100mg インタビューフォーム: https://www.pmda.go.jp/drugs/2012/i120611/40026000_2649001F1020_I_01_1.pdf
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