ビタミンD(vitamin D)

カルシウムリンなどのミネラルの吸収や、筋肉の健康に関係する脂溶性ビタミン

ステロイドのひとつであり、ヒトの体内ではコレステロールから合成される。しかし、食事からの摂取がなければ欠乏しやすいためビタミンとされている。*1

ビタミンDの働き

カルシウム濃度の調節作用、破骨細胞に近付けずに血管へ戻すことでの破壊を抑制する作用などを持つ。

ビタミンDは破骨細胞に作用して、破骨細胞に近づくための受容体S1PR2)を減らすことにより、から遠ざける(=血管側へ移動させる)ということが明らかになった。*2

脂質生合成を制御する転写因子であるSREBPを抑制することが確認されている。*3

活性型ビタミンDが不足すると、小胞体ストレスの上昇とM1マクロファージの代わりにM2マクロファージ分化が増加が起こる。*4

骨粗鬆症の患者にカルシウム濃度を高める目的でビタミンDを投与したところ、乾癬の治療にも効果があることが発見されたため、現在では活性型ビタミンD3乾癬の治療薬として用いられるようになった。*5

ビタミンDの種類

ビタミンDには植物由来のビタミンD2と動物が合成するビタミンD3がある。ビタミンD1は存在しない。

ビタミンD2前駆体エルゴステロールビタミンD3は魚類の肝臓に多く含まれる。*6

動物は皮膚に照射される紫外線によってビタミンD3を合成するが、地域や季節によって日光に含まれる紫外線の量が異なるため、その生成量が変動する。*7

国立環境研究所と東京家政大学の研究チームは、このほど健康な生活を送るのに必要不可欠な成人の1日のビタミンD摂取量の指標とされる、5.5μgすべてを体内で生成するとした場合に必要な日光浴の時間を、日本の3地点である札幌、つくば、那覇について、季節や時刻を考慮した数値計算を用いて求めました。

その結果、両手・顔を晴天日の太陽光に露出したと仮定した場合、紫外線の弱い冬の12月の正午では、那覇で8分、つくばでは22分の日光浴で必要量のビタミンDを生成することができるものの、緯度の高い札幌では、つくばの3倍以上の76分日光浴をしないと必要量のビタミンDを生成しないことが判りました。*8

ビタミンDの食事摂取目安量*9

男女ともに目安量は同じ。

年齢(歳)目安量(μg/日)
1~22.0
3~52.5
6~73.0
8~93.5
10~114.5
12~145.5
15~176.0
18~295.5
30~495.5
50~695.5
70~5.5
妊婦7.0
授乳婦8.0

ビタミンDが欠乏するとクル病骨軟化症を発症することが確認されている。*10

ビタミンDを含む食材

ビタミンD2キノコビタミンD3は魚介類に多く含まれる。*11

食材100g当たりの含有量(μg)
白きくらげ970
黒きくらげ435
アンコウの肝110
しらす干し61
紅ザケ33
さんま19
干ししいたけ16.8
*1No.042 ビタミンD:アンチエイジングトピックス:アンチエイジング | 田中消化器科クリニック: http://www.tanaka-cl.or.jp/anti-aging/topics/topics42/index.html
*2ビタミンDは、骨のガードマン!―破骨細胞を骨から遠ざけ血管へ引き戻すことを解明― — 大阪大学: http://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/ResearchRelease/2013/04/20130409_1
*3ビタミンDが体内の脂質量を抑制:メタボや癌の予防に期待 — 京都大学: http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/170127_1.html
*4活性型ビタミンDで小胞体ストレスを緩和しよう! - 世界の幹細胞(関連)論文紹介 - 慶應義塾大学 グローバルCOEプログラム 幹細胞医学のための教育研究拠点: http://www.med.keio.ac.jp/gcoe-stemcell/treatise/2012/20130329_02.html
*5大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学教室 大阪乾癬患者の会 会報3号: http://derma.med.osaka-u.ac.jp/pso/news/news1/news0004.html
*6痛みと鎮痛の基礎知識 - Pain Relief ー薬物依存、依存性薬物: http://www.shiga-med.ac.jp/~koyama/analgesia/subs-vitamin.html
*7京都大学 動物栄養科学 松井徹: https://ocw.kyoto-u.ac.jp/ja/faculty-of-agriculture-jp/5112000/pdf/13.pdf
*8体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定 -札幌の冬季にはつくばの3倍以上の日光浴が必要-|2013年度|国立環境研究所: https://www.nies.go.jp/whatsnew/2013/20130830/20130830.html
*9日本人の食事摂取基準(2015年版)スライド集: http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000056112.html
*10ビタミンDの骨への直接作用: http://ir.jikei.ac.jp/bitstream/10328/2422/1/119-1-1.pdf
*11ビタミンD |  栄養士・調理師・製菓衛生師の学校:兵庫栄養調理製菓専門学校: http://www.hyoei.ac.jp/library/nadeshiko/225.html

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このページの最終更新日時: 2017-12-04 (月) 18:07:16