ビタミンE(vitamin E)

脂溶性ビタミンのひとつ。熱や酸性に強く、アルカリ性紫外線によって分解される。*1

ビタミンE自身は酸化されやすい物質であるため、他の物質を還元する抗酸化作用を持つ。この抗酸化作用により、血管細胞膜の健康を維持して老化を防ぐ役割がある。ビタミンAとともに存在する場合、ビタミンA酸化を防止する作用がある。抗酸化力を失ったビタミンEはビタミンCによって還元される。*2

過酸化脂質になりやすい多価不飽和脂肪酸を多く含む脂質を多く摂取した場合はビタミンEも多く摂取する必要があるとされる。ビタミンKが不足している状態でのビタミンEの多量摂取は血液の凝固障害を招くとされる。

動物実験ではビタミンEの毒性は低く、変異原性、発がん性、催奇形性がないことが分かっている。ヒトにおける二重盲検試験や他の大規模な経口投与実験でも3,200mg/日のような多量でも副作用はほとんどないことが確認されている。… ビタミンEの経口投与はビタミンK欠乏による凝固障害を悪化させるのでそのような場合ビタミンEの多量投与は禁忌となる。ビタミンK欠乏でないヒトにおいてはビタミンEは凝固障害は起こさない。*3

欠乏症溶血性貧血不妊症神経筋障害?網膜変性?など。過剰症骨粗鬆症が報告されている。健常人が普通に生活している上ではほとんど欠乏することはないとされる。*4

ビタミンEの種類*5*6

天然のビタミンEには以下の種類が存在する。

ヒトの身体はα-トコフェロールを選択的に取り込む。この選別は肝臓で行われる。したがって、ビタミンEといえばα-トコフェロールのことを指す場合が多い。

1日の目安摂取量*7

年齢(歳)性別ごとの目安量(mg)
男性女性
1~23.53.5
3~54.54.5
6~75.05.0
8~95.55.5
10~115.55.5
12~147.56.0
15~177.56.0
18~296.56.0
30~496.56.0
50~696.56.0
70~6.56.0

α-トコフェロール換算)

ビタミンEの吸収*8

摂取されたビタミンEは、胆汁酸によってミセル化された後に小腸で吸収される。小腸で取り込まれると、そこで合成されたカイロミクロンに結合した状態でリンパ管に運ばれる。

カイロミクロン血液中を循環した後、カイロミクロンレムナントとなって肝臓に取り込まれるが、この時ビタミンEも肝臓に入る。

肝臓に取り込まれたビタミンEは、肝臓で合成される超低密度リポタンパク質VLDL)に組み込まれて再び血液中に放出される。この時点でVLDLに結合しているビタミンEは全てα-トコフェロールとなっている。それ以外は肝臓シトクロムP450(主にCYP4F2)によって代謝される。

*1かんき出版 安田和人 あなたに必要なビタミンを教えます(1995/3/22)
*2西東社 カラー図解 栄養学の基本がわかる事典 川島由起子(2013/4/4): https://amzn.to/2tzGwYt
*3食品安全委員会 資料1-3:追加関連論文(酢酸α-トコフェロール): https://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20060208te1&fileId=105
*4ビタミンE特異的輸送タンパク質α-TTPによる体内ビタミンEレベルの制御 河野望 新井洋由: http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2014/11/86-02-14.pdf
*5ビタミンE | 海外の情報 | 医療関係者の方へ | 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業: http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/18.html
*6鈴峯女子短期大学 ビタミン: http://www.suzugamine.ac.jp/arinobu/gakusyuu/vitamin.pdf
*7日本人の食事摂取基準(2015年版)スライド集: http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000056112.html
*8ビタミンE特異的輸送タンパク質α-TTPによる体内ビタミンEレベルの制御 河野望 新井洋由

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このページの最終更新日時: 2019-03-01 (金) 10:02:15