単糖類(ヘキソース)のひとつ。グルコースの異性体。果実や蜂蜜に含まれる無色の結晶。スクロースと同じくヒトが最も甘味を強く感じる糖類。果糖とも呼ばれる。フルクトースは六員環構造、鎖状構造、五員環構造を取りうる。
フルクトースは甘味の感じ方に温度依存性があり、温度が低いほど強く甘みを感じる。60℃よりも30℃、30℃よりも5℃で強く甘みを感じることが報告されている。*1*2
小腸上皮細胞において、GLUT5によって特異的に受動輸送で取り込まれる。フルクトースが吸収される早さはグルコースの0.43倍。*3*4
フルクトースは水溶液中では鎖状構造を取り、ケトン基の部分(-C=O-CH2OH)が分子内置換反応でアルデヒド基(-C=O-CHO)に変化し、その部分が酸化されやすくなるため還元性を示す。*5
異性化液糖のように、グルコースの異性化によっても生成される。
フルクトースはグルコースに比べて脂質の合成に利用されやすい。*6
筋肉においてはヘキソキナーゼに触媒されフルクトース-6-リン酸に、肝臓においてはフルクトキナーゼに触媒されフルクトース-1-リン酸を経てグリセルアルデヒドに代謝され、どちらも解糖系で使用される。*7
過剰に取り込まれたフルクトースは肝臓で脂肪(トリグリセリド)に変換され蓄積する。*8
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