健康用語WEB事典

プルトニウム

プルトニウムとは、元素記号Pu、原子番号94のアクチノイド元素に属する人工放射性元素であり、白色の光沢を持つ重金属である*1。自然界ではウラン鉱石中に極微量が中性子反応によって生成されて存在するが、実用的な量は原子炉内でのウランの中性子照射に伴う反応を経て人工的に大量生産される*2。1941年にグレン・シーボーグ、アーサー・ウォール、ジョセフ・ケネディ、エンリコ・フェルミらによってサイクロトロンを用いたウランへの重陽子照射により初めて合成・発見された*3

プルトニウムには複数の同位体が存在し、代表的なものとして質量数が238、239、240、241、242などが挙げられる*4。このうちプルトニウム-239は熱中性子の照射によって容易に分裂を起こす性質を持つため、原子力発電における燃料や兵器の分裂物質として極めて重要な役割を果たしてきた*5。使用済燃料の再処理プロセスを通じて、ウランとともに抽出・回収されることが可能である*6

化学的性質としては、周期表のアクチノイドシリーズに位置し、非常に反応性が高く、金属粉末の状態では空気中で自然発火する危険性がある*7。また、と反応して水素を発生させたり、多くのに溶解したりする特性を持つ*8化学的な原子価としては+3から+6までの多様な状態をとり、溶液中では酸化数によって異なる複雑な色調を示すことが知られている*9

放射線防護および健康影響の観点から、プルトニウムは人体にとって極めて厳重な管理を要する放射性物質である*10。主にアルファ線を放出発生しながら崩壊するアルファ放射体であり、体外にある状態では皮膚によってアルファ線が遮蔽されるため外部被ばくの危険性は比較的低い*11。しかし、吸入や経口摂取などによって体内に取り込まれる(体内被ばく)と、表面、肝臓などに長期にわたって沈着・蓄積しやすい性質がある*12。体内に取り込まれたプルトニウムから発せられるアルファ線は電離作用が非常に強いため、周辺の細胞DNA組織に深刻な放射線障害を与え、長期的な発がんリスクを高める要因となる*13。そのため、原子力施設や研究施設においては、グローブボックスなどの密閉された設備を用いた厳重な管理と、作業者の内部被ばくモニタリング、防護装備の着用が法的に義務付けられている*14

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このページの最終更新日時: 2026-08-15 (土) 12:20:10