健康用語WEB事典

ヘプシジン(hepcidin)

肝細胞から産生される、25個のアミノ酸からなるペプチド。そのうち8個を占めるシステインが4つのジスルフィド結合を形成している。

発見当初、in vitroで抗作用を発揮するものであったことからヘプ(hep=肝臓)とシジン(cidin=抗物質)を合わせて命名された。*1

フェロポーチンと結合し、細胞リソソームへと誘導することによりフェロポーチンの分解を促進する作用を持つ。これによってフェロポーチンの働きを阻害し、腸管からの吸収やマクロファージからの放出を抑制する。ヘプシジンの誘導にはIL-6が必須であることが報告されている。慢性炎症に伴う貧血の原因となる。*2*3*4

慢性炎症を伴う疾患を発症すると、ヘプシジンの過剰な産生が起こりフェロポルチンの機能が抑制され、結果的に血中の鉄イオンが欠乏し貧血症状を引き起こします。*5

IL-6などの炎症性サイトカインによってヘプシジンの転写が亢進するが、これは感染した細菌が利用するの供給を抑えるためとされる。

細菌はその生存・増殖にを必要とする.従って,生体細菌への鉄の供給を抑えるために速やかにの動態を変化させ,その結果,細菌感染から数時間以内に細胞外液血清濃度が低下する.この生体内の動態を変化させる分子がヘプシジンであり,炎症のレベルを肝臓に伝えヘプシジン転写を亢進させるシグナルが,IL-6などの炎症性サイトカインということになる.*6

*1鉄代謝研究の進歩と鉄不応性貧血・感染防御への関わり 大阪市立大学・大学院医学研究科分子制御分野 菱川恭子 岩井一宏: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsci/28/6/28_6_372/_pdf
*2膠原病・リウマチ性疾患診療のより深い理解を目指して 診断を的確に下すために 持続する炎症所見への対応 藤井隆夫: https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/98/10/98_2440/_pdf
*3新潟大学大学院医歯学総合研究科循環器内科学|研究について:心不全研究グループ: http://www.med.niigata-u.ac.jp/car/research_heartfailure.html
*4医学と医療の最前線 張替秀郎 鉄代謝 最近の知見: https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/102/10/102_2699/_article/-char/ja/
*5細胞からの鉄イオン排出の分子メカニズムの解明 - プレスリリース - 東京大学 大学院理学系研究科・理学部: https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2015/48.html#annotation5b
*6医学と医療の最前線 張替秀郎 鉄代謝 最近の知見: https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/102/10/102_2699/_article/-char/ja/

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このページの最終更新日時: 2020-03-26 (木) 07:23:22