健康用語WEB事典

ボツリヌス毒素(botulinum toxin)

ボツリヌス菌が産生する毒性を持つタンパク質乳児ボツリヌス症の原因となる。ボツリヌストキシンとも。

重鎖軽鎖とに分かれ、重鎖側が神経終末受容体への結合作用と軽鎖神経細胞内に送り込む作用を持ち、軽鎖毒性を示す本体。*1

中毒とならない少量を用いることで、筋肉緊張させている神経の働きを抑えることが可能であり、ボツリヌス療法に使用される。*2

A型ボツリヌス毒素(botulinum toxin type A)

痙攣ジストニア)に対する治療薬。商品名はボトックス*3

末梢の神経筋接合部における神経終末内でのアセチルコリンの放出を抑制し、筋弛緩作用を示す。筋弛緩作用は数ヵ月持続する。また、コリン作動性神経により調節されているエクリン腺からの発汗を抑制する。

B型ボツリヌス毒素(botulinum toxin type B)

痙性斜頚の治療に用いられるボツリヌス毒素。商品名はナーブロック

末梢組織神経筋接合部における神経終末内で、アセチルコリンの放出に関与するシナプトブレビンを切断することにより神経伝達を阻害し、筋弛緩作用を示すとされる。*4

*1細菌毒素の応用 | 東京農業大学: https://www.nodai.ac.jp/academics/agri/zoo/lab_voice/lab04/
*2ボツリヌス(ボトックス)療法 | 宮崎市立田野病院: http://www.med.miyazaki-u.ac.jp/home/tano/consultation/ambulatory/botulinum/
*3ボトックス注用50単位/ ボトックス注用100単位: http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1229404D1020_1_10/
*4ナーブロック筋注2500単位: http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1229406A1022_1_03/

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このページの最終更新日時: 2020-03-29 (日) 08:27:58