マンガン(manganese : Mn) †
人体に必要なミネラルのひとつ。成人の体内には12〜20mgがあり、骨に全体の25%と最も多く存在する。次いで肝臓、膵臓、腎臓の順で存在する。血清中ではβ-グロブリンと結合して0.5〜2mg/Lが含まれる。*1
食品に含まれるマンガンは胃酸によって二価のイオン(Mn2+)となり、小腸と十二指腸から吸収される。吸収された細胞内で酸化されて三価のイオン(Mn3+)となり、能動輸送によって血液中に入って肝臓に運ばれ、不要な分は胆汁から腸管へ分泌されて便で排泄される。
吸収経路が鉄と同じであり、食事中の鉄の量が多いと吸収量が低下する。
ピルビン酸カルボキシラーゼやアルギナーゼ、スーパーオキシドディスムターゼなどの補助因子として働く。
マンガンはピルビン酸カルボキシラーゼ等の構成要素としても重要である。また、マグネシウムが関与するさまざまな酵素の反応に、マンガンも作用する。マンガンは植物には多く存在するが、ヒトや動物に存在する量はわずかである。*2
マンガンの摂取目安量*3 †
年齢(歳) | 性別ごとの目安量(mg) | |
---|---|---|
男性 | 女性 | |
1~2 | 1.5 | 1.5 |
3~5 | 1.5 | 1.5 |
6~7 | 2.0 | 2.0 |
8~9 | 2.5 | 2.5 |
10~11 | 3.0 | 3.0 |
12~14 | 4.0 | 4.0 |
15~17 | 4.5 | 3.5 |
18~29 | 4.0 | 3.5 |
30~49 | 4.0 | 3.5 |
50~69 | 4.0 | 3.5 |
70~ | 4.0 | 3.5 |
マンガンを含む食品 †
玉露?、栗、モロヘイヤ、玄米、アマランサスなどに多く含まれる。
マンガンの欠乏症 †
マンガンの過剰症 †
急性中毒?として肺炎が知られている。慢性中毒?としてはパーキンソン病に似た中枢神経の障害がある。
*1西東社 カラー図解 栄養学の基本がわかる事典 川島由起子(2013/4/4): https://amzn.to/2tzGwYt
*2文部科学省 無機物: http://fooddb.mext.go.jp/nutman/nutman_04.html
*3日本人の食事摂取基準(2015年版)スライド集: http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000056112.html
*4岡山大学病院 検査部/輸血部 マンガン: https://www.okayama-u.ac.jp/user/hos/kensa/denkai/mn.htm
*2文部科学省 無機物: http://fooddb.mext.go.jp/nutman/nutman_04.html
*3日本人の食事摂取基準(2015年版)スライド集: http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000056112.html
*4岡山大学病院 検査部/輸血部 マンガン: https://www.okayama-u.ac.jp/user/hos/kensa/denkai/mn.htm
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このページの最終更新日時: 2019-03-04 (月) 08:46:22