メラトニン(melatonin)

主に松果体から分泌されるホルモン網膜腸管唾液腺などからも分泌されることが知られている。トリプトファンからセロトニンを経て合成される。*1

メラトニンの化学構造

各臓器の体内時計に働きかけ、覚醒睡眠を切り替え自然な眠気を起こすことから睡眠ホルモンとも呼ばれる。網膜で光を受けるとメラトニンの合成が抑制される。

セロトニンとは逆に、通常は夜に多く分泌される。メラトニンの分泌量が低下すると不眠症の原因となる。不眠症時差ぼけの治療に利用される。*2

メラトニンはトリプトファンから4段階の酵素反応でセロトニンを経て作られることが明らかになっている。トリプトファントリプトファンヒドロキシラーゼ(TPH、EC 1.14.16.4)により5-ヒドロキシトリプトファンに転換され、さらに芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼAADC、EC 4.1.1.28)によりセロトニンに転換される。セロトニンAANATによりN-アセチルセロトニンに転換され、HIOMT?により最終的にメラトニンが生成される。*3

血液中に分泌されたメラトニン肝臓ヒドロキシ化されて6-ヒドロキシメラトニンとなり、最終的に硫酸抱合体6-スルファトキシメラトニン)やグルクロン酸抱合体として尿中へ排泄される。

網膜においても産生され、視感度眼圧網膜運動反応、ドーパミンのリズムなど多くの視覚機能調節に関与していることが示されている。また、副腎皮質刺激ホルモン分泌を抑制するタンパク質BMP-4)の働きを強化することが確認されている。*4

骨格筋においてIRS1またはPI3K経路を介して、さらにGLUT4発現を誘発してグルコース輸送を亢進させる。またβ細胞に存在するMT1受容体およびMT2受容体に結合することで、各々cAMPcGMPを低下させ、その結果インスリン分泌を抑制する。さらに、炎症性サイトカイン酸化ストレスの抑制ならびに遊離脂肪酸の低下によって糖代謝を改善する。*5

*1大阪大学 “臓器の大きさを決める!”メカニズム解明へ — リソウ: https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2015/20150416_1
*2技術評論社 石浦章一 タンパク質はすごい! 心と体の健康を作るタンパク質の秘密(2014/1/5)
*3飯郷雅之 宇都宮大学農学部 生物生産科学科 応用生物化学講座 生物有機化学研究室 メラトニン研究の歴史: http://chronobiology.jp/journal/JSC2011-1-023.pdf
*4メラトニンがクッシング病の原因ホルモン抑制に有効 - 国立大学法人 岡山大学: http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id42.html
*5不眠症合併2型糖尿病患者におけるラメルテオン投与による糖代謝ならびに睡眠の質への影響 角田哲治: https://ycu.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=1179&item_no=1&page_id=4&block_id=34

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このページの最終更新日時: 2019-09-10 (火) 08:32:48