外傷や腫瘍、炎症などによってバソプレシンの生合成・分泌に関わる脳の部位(視床下部)に障害が起こることで生じる疾患。バゾプレシン分泌低下症とも呼ばれる。*1
多飲および多尿となり、尿の浸透圧は 300 mOsm/kg 以下。*2*3
関連する用語
腎臓での水の再吸収を促進するホルモン。ヒトにおいては主にアルギニンバソプレシンのことを指す。抗利尿ホルモンやバソプレッシンとも。腎臓の集合管に発現するV2受容体に結合し、アクアポリン2を増加させることで水の再吸収を促進する。視床下部(視索上核や室傍核、視交叉上核)に局在する神経で産生され、脳下垂体後葉に蓄えられ、その神経終末から血液中に分泌される。体液の濃度が濃くなると、脳はバソプレシンの分泌量を増加させ、それによって腎臓は水の再吸収の量を多くする。バソプレシンの分泌が過剰に…
間脳の部位の一つ。脊椎動物の脳の中で最初に分化した原始的な部分。視床の下(前下方)にあるため視床下部と呼ばれる。ヒトの視床下部は約4g。第三脳室の下側壁。視床下部のさらに下に脳下垂体が存在する。-視索前野-視交叉上核-視床下部背内側核以下の働きを持つ。-体温調節-摂食の制御(満腹中枢)-体温調節-水分調節-脳下垂体機能の調節-日内周期の調節-性行動の中枢空腹を感知すると飢餓信号が発され、体内の代謝が制御される。近年、摂食行動は視床下部を中心とする脳各領域に発現・分布する多数の…
濃度の異なる2種類の液体を半透膜を隔てて隣り合わせに置いたときに、濃度が均一になるように片方の液体が浸透しようとする際の圧力。塩や糖類など溶質の濃度が高くなると水分活性が低下し、浸透圧が高くなる。ビーカーのような容器の中の水が、水は自由に通すが、塩化ナトリウム(NaCl)のような溶質分子は、通さない半透膜によって2つの区画に隔てられているとする。水分子は、溶質の濃度が低い区画から高い区画へと膜を通過し拡散する。この現象が浸透であり、浸透により溶質の濃度が高い区画の容量が増加し…
中枢性尿崩症を参照。
水分摂取や尿濃縮能を反映する検査項目。基準値は 50〜1400 ADHの過剰分泌や脱水症、腎不全などで高値になり、中枢性尿崩症で低値になる。
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