交差反応(cross-reaction)

ある抗体が、その抗体の産生反応を引き起こした原因である抗原以外の構造が似た別の抗原に結合すること。交叉反応とも表記される。

抗原として認識されたあるタンパク質によく似た構造を持つ別のタンパク質が体内に侵入すると、最初に作られた抗体とよく似た抗体が作られ、2つの抗体がどちらのタンパク質抗原)にも同じように反応するようになる。これによって、アレルゲンに似た構造を持つ別の物質がアレルギー発症の原因となる。例えば、以下のような交差反応が知られている。*1*2

感染した病原体がたまたま自己の成分と似た構造を持っていた場合、その病原体に対する抗体キラーT細胞は自己の成分に対しても免疫反応を起こすことがあり、自己免疫疾患の原因となる。*3

例えば,ウシの赤血球抗原としてハツカネズミに注射すると,ハツカネズミはウシの赤血球を排除するため抗体産生反応を起こす。生産される多数の抗ウシ赤血球抗体分子はウシ赤血球に結合するという結合特異性を持つが,均一な抗体分子集団を形成しているわけではない。通常,その中にはウマの赤血球に結合する抗体分子やヤギの赤血球に結合する抗体分子が含まれている。これらの抗ウシ赤血球抗体が,それぞれ,ウマ赤血球あるいはヤギ赤血球に交差反応する抗体分子である。*4

*1島根大学医学部 特殊型食物アレルギーの診療の手引き2015: http://www.med.shimane-u.ac.jp/dermatology/FAguideline2015.pdf
*2西東社 カラー図解 栄養学の基本がわかる事典 川島由起子(2013/4/4): https://amzn.to/2tzGwYt
*3京都大学数理解析研究所 - 講究録 Kôkyûroku - 自己免疫疾患モデル: http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1551-30.pdf
*4免疫系における交差反応と免疫記憶の仕組み 幼児期における言語習得との比較 細川友秀: http://lib1.kyokyo-u.ac.jp/kiyou/kiyoupdf/no113/bkue11310.pdf

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このページの最終更新日時: 2018-09-06 (木) 20:39:28