交感神経(sympathetic nerve)

日中に優位になる自律神経ストレスや情動による中枢神経の活動性の変化を全身の臓器に伝える神経。ヒトの発生初期段階に、副腎と同様に神経堤細胞から作られる。*1*2

胸椎腰椎を通る脊髄から伸びる。脊髄から出て神経節交感神経節腹腔神経節)で神経を乗り換え、そこから各臓器へ伸びる。*3*4

交感神経の興奮によって心拍血圧呼吸、発緊張などが促進される。平滑筋心筋に働き、内臓平滑筋消化腺気管支腺に対しては抑制的、その他に対しては興奮的に働く。特に運動時に興奮し、全身の筋肉酸素を供給できるよう呼吸脈拍を上げる。交感神経の過度の緊張動悸不整脈息切れなどとして現れる。長期間の緊張状態が続いた場合、迷走神経反射の原因となる。*5*6*7

ヒトは、ストレスなど交感神経系の興奮により、深部体温の上昇、血圧心拍数の増加、視床下部下垂体副腎系の活性化による血漿副腎皮質刺激ホルモンACTH)濃度やグルココルチコイド(GC)濃度の上昇反応がおこる。また、身体活動トレーニングによる自律神経機能の向上が認められている。*8

交感神経活動が活性化すると,交感神経終末からノルアドレナリンが放出され,血管収縮・心拍数増加・心収縮性増加を惹起する.さらに,副腎からのアドレナリン放出増加や,傍糸球体細胞でのレニン産生促進によるアンジオテンシンⅡアルドステロン産生増加も引き起こす.また,交感神経活動の活性化は腎臓からのナトリウム排泄を抑制する.したがって,交感神経活動の過剰な活性化は高血圧の主たる原因であると言える.*9

交感神経から分泌されるノルアドレナリンが、β2受容体を介してCCR7CXCR4の感受性を高め、リンパ球の動きを制御することが確認されている。*10

交感神経の活動性には、1日のうちで身体の活動性が高まる時間帯に上昇し、身体の活動性が低くなる時間帯に低下するという日内変動があります。研究グループは、交感神経の活動性の高まる時間帯にリンパ球リンパ節からの脱出が抑制される結果、リンパ節におけるリンパ球数が増加することをマウスを用いた実験で明らかにしました。*11

*12015年3月発行 東洋大学医務室 春の不調、自律神経が原因かも!?: https://www.toyo.ac.jp/uploaded/attachment/14825.pdf
*2ストレス耐性を担う組織の発生機構解明 — 京都大学: http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/news_data/h/h1/news6/2012/120622_1.htm
*3EW-自律神経: http://www-yaku.meijo-u.ac.jp/Research/Laboratory/chem_pharm/mhiramt/EText/Pharmacol/Pharm-II02-1.html
*4東京医科歯科大学教養部 教養部 生物学分野 神経による筋収縮の指令-ニューロン: http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/textlife/neuron.htm
*5痛みと鎮痛の基礎知識 - Pain Relief ー自律神経系: http://www.shiga-med.ac.jp/~koyama/analgesia/anat-sympa.html
*6国立大学法人 山形大学 自律神経系: http://s-crawfish.kj.yamagata-u.ac.jp/communication%20II/comII13.pdf
*7昭和大学歯科病院だより 2013.8.15 発行責任者 病院長 槇宏太郎: http://www.showa-u.ac.jp/SUHD/guide/pr/press/frdi8b000000ah31-att/dayori-099.pdf
*8自律神経活動と健康づくり 木村公喜: https://jue.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=1278&item_no=1&page_id=4&block_id=80
*9日薬理誌 高血圧は脳の異常であり治療標的は脳である 脳・腎臓・心臓・血管連関による血圧動的恒常性維持システム 岸拓弥: https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/145/2/145_54/_pdf/-char/ja
*10「病は気から」の根拠を実験的に証明 — リソウ: http://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2014/20141125_1
*11大阪大学免疫学フロンティア研究センター 交感神経による免疫の日内変動の仕組みを解明 -ワクチン接種は、免疫応答が強まる時間帯が効果的: http://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/jpn/research/upload_img/161101commentary_jp.pdf

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このページの最終更新日時: 2019-06-12 (水) 08:50:28