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前頭前野(prefrontal cortex : PFC)

前頭前野の最前に位置する、の中で最も新しく進化した部位。前頭前皮質とも。

抽象的な思考や集中力、計算結果の一時的な暗記、感情や衝動の制御を行う。成熟が遅く、20代で完成するとされる。

この部位が損傷すると、思考や行動に柔軟性が失われ、暴力的言動が現れることが報告されている。

血管障害や外傷などを原因としての前頭前野を損傷されると,運動機能や標準的な知能検査で測定される認知機能が保たれる一方で,柔軟性が極端に欠如した思考様式や衝動的行動,ののしりや暴力的行為,あるいは動機づけの低下といった,個人の適応的な社会活動を阻害する一連の認知・行動障害が出現することがある。*1

ストレスによって、この部位の機能の一部が障害されることが報告されている。

最近、ストレスは霊長類で最も発達している大脳皮質前頭前野にも影響を及ぼし、高度な精神機能を奪ってしまうことが分かってきました。ストレスは、感情や衝動を抑制している前頭前野の支配力を弱めるため、視床下部などの進化的に古い領域の支配が強まった状態になり、不安を感じたり、普段は抑え込んでいる衝動(欲望にまかせた暴飲暴食や薬物乱用、お金の浪費など)に負けたりするというのです。... ストレスがかかると、全体に突起を伸ばしている神経からノルアドレナリンドーパミンなどの神経伝達物質が放出されます。これらの濃度が前頭前野で高まると、神経細胞間の活動が弱まり、やがて止まってしまいます。*2

前頭前野の部位

*1前頭葉機能障害の認知リハビリテーション 柴崎光世: http://www.hino.meisei-u.ac.jp/psy/_userdata/%E6%9F%B4%E5%B4%8E.pdf
*2ストレスと脳 | 生物学科 | 東邦大学: http://www.toho-u.ac.jp/sci/bio/column/029758.html

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このページの最終更新日時: 2018-09-04 (火) 09:37:55