加齢黄斑変性症(age-related macular degeneration : AMD) †
加齢によって目の黄斑の細胞の萎縮や異常な血管新生とそれによる出血が起こり、視野の中心部分が見にくくなる症状。
細胞の萎縮が原因の場合は萎縮型加齢黄斑変性症、脈絡膜から発生する新生された血管からの出血が原因である場合は滲出型加齢黄斑変性症と呼ばれ区別される。*1
加齢黄斑変性は欧米諸国における失明原因の首位を占め、網膜の中心に位置する黄斑に変性をきたす網脈絡膜疾患である。加齢黄斑変性は、黄斑部網膜と脈絡膜の加齢変化と酸化ストレスから慢性の炎症が惹起されて進行し、最終的に炎症性血管新生が誘導される。*2
ルテインやゼアキサンチンなどのカロテノイドには加齢黄斑変性症の予防作用があることが報告されている。*3
肥満によって発症しやすくなることが知られているが、マウスの実験においては現在の肥満を改善しても過去の肥満が自然免疫系に長期間記憶されており、晩年の神経炎症や加齢黄斑変性症の発症に関わることが報告されている。*4
腹腔内脂肪組織に含まれる自然免疫細胞(腹腔内マクロファージ)に肥満の記憶が保持されており、痩せた後でも炎症性サイトカインや血管新生因子を分泌しやすい状態であることが確認されている。
タグ: 目 黄斑 血管新生 失明 肥満 カロテノイド マクロファージ
*1奈良県立医科大学 眼科教室 トピックス:加齢黄斑変性症: http://www.naramed-u.ac.jp/~oph/topics/pages/topics_01.html
*2ルテインの網膜、脈絡膜血管病態への関与:http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php/KAKEN_19592039seika.pdf?file_id=28309
*3科学研究費助成事業 研究成果報告書 桐野顕子 加齢黄斑変性の予防を目的とした食品データベースの作成: https://kaken.nii.ac.jp/en/file/KAKENHI-PROJECT-23700940/23700940seika.pdf
*4肥満は痩せても記憶されている―一度太ると神経炎症増悪のリスクは継続― | 京都大学: https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2023-01-06-0
*2ルテインの網膜、脈絡膜血管病態への関与:http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php/KAKEN_19592039seika.pdf?file_id=28309
*3科学研究費助成事業 研究成果報告書 桐野顕子 加齢黄斑変性の予防を目的とした食品データベースの作成: https://kaken.nii.ac.jp/en/file/KAKENHI-PROJECT-23700940/23700940seika.pdf
*4肥満は痩せても記憶されている―一度太ると神経炎症増悪のリスクは継続― | 京都大学: https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2023-01-06-0
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このページの最終更新日時: 2023-01-06 (金) 14:15:11