母乳(milk) †
哺乳類の母が分泌する乳幼児の栄養源。乳汁とも。牛の母乳を特に牛乳と呼ぶ。
母乳の分泌にはプロラクチンやオキシトシンなどが関わる。含まれる代表的なタンパク質は多い順にカゼイン、ラクトアルブミン、ラクトフェリン。*1
ヒトの母乳にはDHAやリノール酸、オレイン酸などの脂肪酸が含まれるが、これらはUGT1A1を阻害するため、UGT1A1の働きが弱い新生児の母乳性黄疸の原因となることが報告されている。低級脂肪酸をほとんど含まず、牛乳よりもリノール酸を多く含む。*2
また、新生児の免疫に重要である抗体(分泌型IgAなど)が含まれる。母乳中の抗体は形質細胞から分泌されるが、この形質細胞の大半は腸管に由来していること、腸管内に生息する特定の腸内細菌の存在が重要であることが報告されている。*3
分娩後数日間に分泌される母乳は初乳、それ以降に分泌される母乳は成乳と呼ばれ、成分が異なる。また、食事の質や量、分泌量、季節、人種などによっても成分に差が現れる。一般に出産後の日数ととも脂質と糖質は増加し、逆にタンパク質と無機ミネラルは減少する傾向にあると報告されている。*4
*1西東社 カラー図解 栄養学の基本がわかる事典 川島由起子(2013/4/4): https://amzn.to/2tzGwYt
*2KAKEN 新規モデルマウスを用いた母乳性黄疸発症メカニズムの解明とその応用: https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-24890224/24890224seika.pdf
*3腸管と乳腺はつながっている! ~腸内微生物が母乳中の抗体産生を促す~|東京大学医科学研究所: https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00121.html
*4甲南大学 教育学習支援センター 母乳の成分は何だろう? ヒトからみた環境 玉利祐三: http://kccn.konan-u.ac.jp/konan/kankyo/01tamari/010102.html
*2KAKEN 新規モデルマウスを用いた母乳性黄疸発症メカニズムの解明とその応用: https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-24890224/24890224seika.pdf
*3腸管と乳腺はつながっている! ~腸内微生物が母乳中の抗体産生を促す~|東京大学医科学研究所: https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00121.html
*4甲南大学 教育学習支援センター 母乳の成分は何だろう? ヒトからみた環境 玉利祐三: http://kccn.konan-u.ac.jp/konan/kankyo/01tamari/010102.html
ご意見・ご要望をお聞かせください。
母乳に関する情報を検索
この用語を編集/画像添付
このページの最終更新日時: 2021-09-15 (水) 07:16:25