健康用語WEB事典

油脂(oils and fats)

常温で液体のあぶら()と固体のあぶら()をまとめて油脂と呼ぶ。単純脂質のひとつ。

の違いは、それを構成する脂肪酸の種類(化学的構造)の違いによるものである。*1

脂肪とは本来、油脂のうち固体のものであるを指す。*2

油脂の基本的な性質は以下のとおり。

一般に,黄色もしくは褐色で,特有の匂いを有する。水には不溶,アルコールには難溶であるが,有機溶媒にはよく溶ける。比重が 0.90 ~ 0.97 で水に浮かぶ。*3

油脂はグリセリンに3つの脂肪酸が結合した形をしているトリアシルグリセロールが主成分(95%以上)である。*4

膵液中の消化酵素であるリパーゼ膵リパーゼ)によってグリセリン脂肪酸が分離されて吸収される。*5

脂肪とは本来、油脂(動植物の「あぶら」)のうち、常温で固体のものをいう。

...

二重結合をもたない脂肪酸飽和脂肪酸)は、二重結合をもつ脂肪酸不飽和脂肪酸)に比べて融点(融ける温度)が高い。動物の油脂は、一般に飽和脂肪酸の割合が高いために融点が高く、常温では固体(すなわち脂肪または)であることが多い。それに対して植物では、不飽和脂肪酸を多く含むために融点が低く、常温では液体(すなわち)のものが多い。*6

*1福岡大学 理学部 機能生物化学研究室 生化学の基礎 脂質: http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/biochem5.htm
*2大学院生命理学研究科 教授 大隅隆 脂肪の代謝とその調節 ―からだのエネルギーバランス―: http://www.sci.u-hyogo.ac.jp/life/molbio/KOKAI.pdf
*3エステルとセッケン: http://www.ed.kanazawa-u.ac.jp/~kashida/PDF/chemIb/chap7/chemt707.pdf
*4最新の脂質栄養を理解するための基礎: http://www.kinjo-u.ac.jp/orc/document/topic1.pdf
*5鈴峯女子短期大学 脂質: http://www.suzugamine.ac.jp/arinobu/gakusyuu/lipids.pdf
*6兵庫県立大学 大学院生命理学研究科 教授 大隅隆 脂肪の代謝とその調節 ―からだのエネルギーバランス―: http://www.sci.u-hyogo.ac.jp/life/molbio/KOKAI.pdf

ご意見・ご要望をお聞かせください。


油脂に関する情報を検索
[学術機関を検索] [政府機関を検索]



この用語を編集/画像添付
このページの最終更新日時: 2017-12-04 (月) 18:10:03