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活性型ビタミンD(activated vitamin D)

肝臓腎臓ヒドロキシ化されたビタミンD。主に1,25-ジヒドロキシビタミンD3を指す。*1*2

活性型ビタミンD(カルシトリオール)の化学構造

肝臓ビタミンDヒドロキシ化されて生じる25-ヒドロキシビタミンD3が、腎臓近位尿細管細胞ミトコンドリア内に発現している1α水酸化酵素CYP27B1)によって1α位がさらにヒドロキシ化されたものが1,25-ジヒドロキシビタミンD3である。食物の摂取や皮膚への紫外線照射によって得られたビタミンD前駆体活性型ビタミンD3に変換される必要がある。*3

ビタミンDコレステロールから合成され、肝臓腎臓水酸化を受け、活性型になる。紫外線により皮膚で構造活性化が誘導されるので、日照時間が少ない地方ではビタミンD欠乏症である「くる病」が多発していた時代があった。*4

小腸粘膜細胞核内受容体に働き、カルシウム結合タンパク質の合成を促進してカルシウムの吸収を補助したり、リンの吸収、尿細管でのカルシウム吸収促進などの作用を持つ。また、骨芽細胞破骨細胞を活性化し、骨代謝を促進する。*5

活性型ビタミンD3およびその誘導体であるカルシトリオール1,25-ジヒドロキシビタミンD3)やタカルシトール1,24-ジヒドロキシビタミンD3)などは乾癬の治療薬として用いられる。*6*7

*1活性型ビタミンDで小胞体ストレスを緩和しよう! - 世界の幹細胞(関連)論文紹介 - 慶應義塾大学 グローバルCOEプログラム 幹細胞医学のための教育研究拠点: http://www.med.keio.ac.jp/gcoe-stemcell/treatise/2012/20130329_02.html
*2活性型ビタミンD3のヒト筋管における骨格筋萎縮因子への作用メカニズムに関する研究: http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/58666/1/Naohiko_Hayakawa.pdf
*3科学技術振興機構報 DNA発現のスイッチ、脱メチル化機構を解明 骨代謝制御の仕組みを発見:新たな骨粗鬆症薬開発に道開く: https://www.jst.go.jp/pr/info/info679/index.html
*4京都大学-お知らせ/ニュースリリース 2007年6月12日 哺乳類のカルシウム調節の仕組みを解明(上皮小体疾患や骨粗鬆症、くる病などの診断・治療法の開発にはずみ): http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_news/documents/070615_12.htm
*5西東社 カラー図解 栄養学の基本がわかる事典 川島由起子(2013/4/4): https://amzn.to/2tzGwYt
*6大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学教室 大阪乾癬患者の会 会報3号: http://derma.med.osaka-u.ac.jp/pso/news/news1/news0004.html
*7乾癬治療について 名古屋市立大学 大学院医学研究科 加齢・環境皮膚科: http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/derma.dir/medical/medical_1.html

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このページの最終更新日時: 2019-02-28 (木) 13:30:39