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活性硫黄分子種(reactive sulfur species : RSS)

チオール基に過剰に硫黄原子が付加したポリスルフィド構造を持つ化合物の総称。アミノ酸システインCysSH)などにサルフェン硫黄が連結した分子。通常のチオール誘導体に比べて高い求性と抗酸化活性を有する。超硫黄分子とも。システインパースルフィドなど。*1

様々な化学物質(環境中親電⼦物質)を活性硫黄分子種が捕獲・不活性化することで毒性や疾患の原因となる酸化ストレスから細胞を保護するなど、細胞毒性を防ぐことが知られている一方、化学的反応性が⾼く、過剰な増加は逆に硫黄ストレスの原因となることが報告されている。*2

様々な臓器血液中に存在し、活性酸素の制御に関わる。*3

活性硫黄分子システインCysSH)やグルタチオンGSH)のチオール (SH) イオウ原子が付加したシステインパースルフィドCysSSH)やグルタチオンパースルフィドGSSH)のようなポリスルフィド構造を持つ化合物であり、通常のチオール化合物に比べ、高い求性/抗酸化能を示す。また、近年は抗酸化作用だけでなく、エネルギー産生、抗炎症作用やタンパク質硫黄修飾を介した品質管理・シグナル伝達などの幅広い生物学的機能を有することが明らかにされてきており、超硫黄分子の総称でも呼ばれている。*4

タグ: 硫黄 分子 酸化ストレス 硫黄ストレス 細胞毒性 活性酸素

*1活性イオウ分子種によるタンパク質チオール修飾:ポリスルフィド化タンパク質解析の最先端技法: https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/147/5/147_299/_article/-char/ja/
*2細胞内のバランスを崩す過剰な超硫⻩分⼦の排出機構を解明 | 研究成果 | 九州大学(KYUSHU UNIVERSITY): https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/831
*3東北大学大学院医学系研究科 活性酸素の強力な消去物質を発見 酸化ストレス関連疾患の予防・診断・治療に期待: https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press_20140414_01web.pdf
*4腸内細菌が酸化ストレス防御能を高めることを発見-酸化ストレスを抑制する活性硫黄産生菌を活用した 創薬や食品開発に期待-:[慶應義塾]: https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2022/3/9/220309-1.pdf

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このページの最終更新日時: 2022-11-09 (水) 10:51:20