最初に発見された神経栄養因子。知覚神経細胞、交感神経細胞の神経分化を促進し、神経機能の獲得、維持のために働く。脳では神経細胞とアストロサイトによって生成される。
NGFは末梢副交感神経系,運動神経系を含む中枢神経系の神経細胞には作用しないこと,NGFが作用しないこれらの神経細胞に働く因子が発見されたことなどから,神経細胞の生存や分化に影響する因子を神経栄養因子(neurotrophic factor)と総称するようになった.*1
知覚神経において、温度感覚や痛覚の維持に関わる。*2
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NGFファミリーに属する神経栄養因子(ニューロトロフィン)のひとつ。知覚神経において固有感覚の維持に関わる。中枢神経系の中では小脳に最も多く発現する。NT-3を欠損させたマウスは三叉神経系ならびに固有知覚系に障害が起こることが報告されている。
グリチルリチンと2つのカリウムイオンとの塩。サブスタンスPによる神経成長因子の遺伝子発現上昇を抑制することで知覚過敏を抑制できることが示唆されており、敏感肌向け化粧品に多く配合されている。
日中に優位になる自律神経。ストレスや情動による中枢神経の活動性の変化を全身の臓器に伝える神経。ヒトの発生初期段階に、副腎と同様に神経堤細胞から作られる。胸椎や腰椎を通る脊髄から伸びる。脊髄から出て神経節(交感神経節や腹腔神経節)で神経を乗り換え、そこから各臓器へ伸びる。交感神経の興奮によって心拍や血圧、呼吸、発汗、筋の緊張などが促進される。平滑筋や心筋、腺に働き、内臓平滑筋と消化腺、気管支腺に対しては抑制的、その他に対しては興奮的に働く。特に運動時に興奮し、全身の筋肉に酸素を…
グリア細胞のひとつ。星状細胞や星状膠細胞、アストログリアとも。脳内の神経細胞の周りに存在する。ヒトの大脳皮質においては最も大きく、数も多い細胞。星型をしていることから名付けられた。アストロサイトは細胞外のグルタミン酸をGLT-1によって細胞内へ運び込むことにより細胞外のグルタミン酸濃度を低濃度に抑えている。γ-アミノ酪酸を神経伝達物質とする。輸送体であるNPT3が発現している。小脳皮質の中のGABAを伝達物質として放出する抑制性の神経細胞の一つ。プルキンエ細胞の樹状突起にシナ…
温覚や痛覚、発汗機能の欠如および精神遅滞を伴う常染色体劣性遺伝疾患。原因は神経成長因子の受容体の遺伝子であるTrkA(NTRK1)の変異。無汗症などの自律神経の障害が見られないタイプ(先天性無痛症)もある。先天性無痛症患者の脊髄後根には、痛みの伝達に関わるAδ線維およびC線維が存在しないことが知られている。
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