脱共役タンパク質(uncoupling protein : UCP) †
ミトコンドリア内膜に存在する、ミトコンドリアでの酸化的リン酸化を脱共役させるタンパク質。SLCファミリーに属する。サーモゲニンとも。褐色脂肪細胞に多い。6回膜貫通型。*1
脱共役タンパク質の役割はATPの合成を抑制する代わりに身体の熱を産生すること。ミトコンドリア内膜の内外に形成されたプロトンの濃度勾配を解消し、その結果ATP合成に使われていたエネルギーを熱として放出する。*2
また、活性酸素の発生を抑制する働きを持つことが報告されている。
ATP生産の必要が無い時には、ミトコンドリア内膜の電子伝達系にたまった電子が細胞質基質に漏れ出し、酸素と反応して反応性が高く細胞を傷つける活性酸素(フリーラジカル)を作ってしまいます。つまり、脱共役タンパク質はATP生産の必要性が小さい時に余分なプロトンを逃がし、呼吸鎖をアイドリングさせて熱として発散し、細胞障害を防ぐという役目を果たしているというのです。*3
脱共役タンパク質の種類*4*5 †
*1熱産生における脱共役タンパク質の役割と適応進化: https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/46/12/46_12_841/_article/-char/ja
*2京都大学大学院 工学研究科 梅田眞郷 脱共役タンパク質(Uncoupling protein): http://www.nips.ac.jp/thermalbio/handbook/1-23v2.pdf
*3体温はなぜ37℃なのか 【2009年10月号】 | 生物学科 | 東邦大学: https://www.toho-u.ac.jp/sci/bio/column/017691.html
*4エネルギー代謝調節機構 UCP を中心に 斉藤昌之: http://jams.med.or.jp/symposium/full/124062.pdf
*5クエン酸回路・電子伝達系(3)平成25年5月14日 生化学2(病態生化学分野)教授 山縣 和也: http://www.medic.kumamoto-u.ac.jp/dept/biochem2/class/250514-2.pdf
*2京都大学大学院 工学研究科 梅田眞郷 脱共役タンパク質(Uncoupling protein): http://www.nips.ac.jp/thermalbio/handbook/1-23v2.pdf
*3体温はなぜ37℃なのか 【2009年10月号】 | 生物学科 | 東邦大学: https://www.toho-u.ac.jp/sci/bio/column/017691.html
*4エネルギー代謝調節機構 UCP を中心に 斉藤昌之: http://jams.med.or.jp/symposium/full/124062.pdf
*5クエン酸回路・電子伝達系(3)平成25年5月14日 生化学2(病態生化学分野)教授 山縣 和也: http://www.medic.kumamoto-u.ac.jp/dept/biochem2/class/250514-2.pdf
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このページの最終更新日時: 2018-09-14 (金) 08:34:23