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臭素酸カリウム(potassium bromate)

臭素酸カリウムからなる食品添加物のひとつ。ブロム酸カリウムブロム酸カリ)とも。化学式は KBrO3

臭素酸カリウムの化学構造

国内では小麦粉処理剤として使用が認められている。主にパンに遅効型の酸化剤として使用される。*1

化学的には、パンのタンパク質(主にグルテン)のチオール基酸化することでジスルフィド結合の形成を促進する等の作用がある。パンの品質への影響は、膨らみ方や食感が向上するとされる。*2

しかし、1992年および1995年の試験において、発がん性が認められ、食品への使用の妥当性が疑問視された。IARCにおける発がん性に関する評価では、グループ2Bに分類されている。*3

経口投与による長期毒性・発がん性試験では、ラットにおいては細胞腫瘍腹膜中皮腫甲状腺ろ胞細胞腫瘍発現し、ハムスターにおいては細胞腫瘍発現率のわずかな増加が認められたとされています。これらの知見及び in vivo 並びに in vitro での変異原性試験結果にづき、臭素酸カリウムは「遺伝毒性発がん性物質」であるとの結論となりました。また、小麦粉への60mg/kg以下の使用であっても微量の残留が見られることが明らかになったため、臭素酸カリウム小麦粉処理剤としての使用は適当ではないとされ、小麦粉処理剤としての使用の許容量は削除されました。さらに、1995年、第44回JECFAでは、新たな毒性データはないものの、当時新たに開発された分析法により、臭素酸カリウムで処理された小麦粉で製造したパン中に残留臭素酸が検出されたとの報告がなされ、再度、小麦粉処理剤としての臭素酸カリウムの使用は適当でないと結論されました。*4

後の2002年に行われた、検出限界が1ppbに向上した検査においては市販のパンからは臭素酸カリウムは検出されず、微量に検出された冷凍パンなども焼くことによって分解されるため、安全上の問題はないと結論付けられている。

2002 年の同部会では、厚生科学研究で行われた高度分析法の開発及びパン中の臭素酸残留実態調査から、検出限界 1 ppb、定量限界 2 ppb にまで感度が向上したこと、市販パン等 135 検体で臭素酸の残留は確認できず、輸入冷凍パン生地等で臭素酸が一部微量に検出されたが、パン焼成時には完全に分解されると考えられ安全性上問題となるような結果は得られなかったと報告されました 。*5

*1食品安全委員会 臭素酸カリウム: https://www.fsc.go.jp/sonota/factsheet-kbro.pdf
*2生協/コープ|日本生活協同組合連合会 臭素酸カリウムについてのQ&A: http://jccu.coop/food-safety/qa/qa01_03.html
*3食品安全関係情報詳細 台湾行政院衛生署、週刊情報「薬物食品安全週報」第117号を発行、ポテトチップス中の臭素酸カリウムについて解説: http://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu02250030361
*4食品安全委員会 臭素酸カリウム
*5食品安全委員会 臭素酸カリウム

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このページの最終更新日時: 2020-03-15 (日) 15:34:29