虫歯(cavity) †
虫歯菌が作る酸によってエナメル質に穴が開き、象牙質や歯髄が侵食された歯のこと。う蝕やカリエスとも呼ばれる。
虫歯は進行度合いによって5段階に分類される。 C はカリエスの頭文字である。
虫歯の段階 | 虫歯の状態 |
---|---|
C0 | 穴が開く前の初期段階 |
C1 | エナメル質にだけ穴が開いた状態。削って詰める必要あり。 |
C2 | エナメル質を突き破り象牙質に達した状態。歯がしみるなどの症状が現れる。 |
C3 | 歯髄に達した状態。酷く痛む。 |
C4 | 歯髄が壊死し、歯根に達した状態。放置すると顎に侵食する。 |
虫歯の予防 †
虫歯の原因となる主な虫歯菌はミュータンス菌であるため、その増殖や酸の生成を防ぐものが虫歯の予防に効果的である。(ミュータンス菌を参照)
口腔が強い酸性状態になると、歯のエナメル質が溶けやすくなるため、酸性度の強い食品を長時間口の中にとどまらせないことも重要である。口内のpHが5.5以下になるとエナメル質が溶け出す脱灰が起こるとされる。
A pH level lower than 5.5 puts a person at risk for tooth erosion, which is a process that wears away the enamel (or protective outside layer) of teeth. "The higher the pH level is above 5.5, the lower the chance of developing cavities," explains Vipul Yadav, MDS, lead author of the study.*1
ハードタイプのチーズが含むリン酸やカルシウムには、歯を保護する働きがあることが確認されている。
中でも水分が少なく熟成期間の長いハードタイプのチーズは、むし歯のリスクを低くする食品としてWHO(世界保健機関)が認めています。これは、チーズの中にリン酸やカルシウムが多く含まれていることによります。リン酸はだ液が酸性状態(歯の表面が溶けてむし歯になる状態)に傾くのを防ぎます。またカルシウムがだ液に多く供給されると、歯の表面が少し溶けても再び硬い歯質に戻る(再石灰化)のを助けます。*2
実際に、牛乳と無糖ヨーグルトとチーズを食べた時の口内pHを調べた研究では、チーズを食べた場合のみ口内のpHが上昇し、口の中が酸性になるのを防*3ぐことが確認されている。*4
虫歯の治療 †
軽度の場合は、表面を削り取る。
歯の深くまで進行した場合、歯髄の血管や神経を完全に取り除いた後、充填剤を流し込んで埋める「根の治療」を行う。*5
*2大阪府歯科医師会 -歯の学校-: http://www.oda.or.jp/qa/answer02.html
*3
*4Cheese may prevent cavities
*5血管により硬い歯がつくられる仕組みを解明-虫歯・歯周病により失われた歯の再生医療への応用に期待-:[慶應義塾]: https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2022/3/24/28-104921/
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