血液脳関門(blood-brain barrier : BBB) †
全身を流れる血液中の物質が脳内へ入るのを制限する脳の毛細血管。内皮細胞や周皮細胞、アストロサイト、それらを取り囲むⅣ型コラーゲンなどの細胞外基質などから構成される。*1
血管内皮細胞が隙間なく密着して結合し、毛細血管の神経細胞側にグリア細胞が取り巻いて特定の物質のみを通過させる構造を持つ。*2
この働きによって、必要な物質のみを血液から取り込み、それ以外の有害な物質が脳に取り込まれないようになっている。医薬品が効果を発揮するためには、血液脳関門で薬剤の成分が防がれないように設計する必要がある。
脳のエネルギー源となるアミノ酸やグルコースなどは通過できるが、ペプチドやタンパク質など多くの物質は防がれる。*3
血液脳関門は、脳に特異的な血管内皮細胞(脳血管内皮細胞)が、周皮細胞・ニューロン・アストロサイトに囲まれた構造をしており、脳血管内皮細胞同士が密着結合することで、分子が中枢神経系に拡散するのを制限するバリア機能を果たしています。また、脳血管内皮細胞は、糖やアミノ酸などの栄養分を細胞膜へ透過させるための輸送体に富んでおり、栄養分が効率的に血液から脳に取り込めるようになっています。また、物質を排出するための輸送体も多く存在し、それにより毒素や病原体が脳に入るのを阻止し、脳を守る役割も果たしています。*4
*1血栓溶解療法後の脳出血防止を目指した新しい治療法の開発 | 脳研コラム | 新潟大学脳研究所: http://www.bri.niigata-u.ac.jp/column/000124.html
*2中枢性摂食調節機構について 空腹・満腹のメカニズム 太田一樹(管理栄養学科・教授): https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20170530175924.pdf?id=ART0009880616
*3国立大学法人 筑波大学 ナルコレプシーの病因治療効果を確認 目覚めを制御する低分子医薬の新たな効果: https://www.tsukuba.ac.jp/wp-content/uploads/170516yanagisawa-1.pdf
*4iPS細胞から血液脳関門モデルの作製に成功 — 京都大学: http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/170224_2.html
*2中枢性摂食調節機構について 空腹・満腹のメカニズム 太田一樹(管理栄養学科・教授): https://ci.nii.ac.jp/els/contentscinii_20170530175924.pdf?id=ART0009880616
*3国立大学法人 筑波大学 ナルコレプシーの病因治療効果を確認 目覚めを制御する低分子医薬の新たな効果: https://www.tsukuba.ac.jp/wp-content/uploads/170516yanagisawa-1.pdf
*4iPS細胞から血液脳関門モデルの作製に成功 — 京都大学: http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/170224_2.html
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このページの最終更新日時: 2018-09-02 (日) 15:17:30