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血球貪食症候群(hemophagocytic syndrome : HPS)

骨髄リンパ節など網内系における、組織球マクロファージによる血球貪食を特徴とする疾患。血球貪食性リンパ組織球症とも。*1*2

マクロファージは通常、死んだ血球のみを貪食するが、血球貪食症候群では生きている血球貪食するようになる。*3

血球貪食症候群の症状*4

発熱倦怠感肝脾腫リンパ節腫脹黄疸皮疹痙攣意識障害

血球貪食症候群の原因

原発性でないものは感染症悪性腫瘍自己免疫疾患などによって成人にも発症する。例えば、EBウイルスサイトメガロウイルスHIVなどの感染によって引き起こされる。

樹状細胞による血球貪食自体は、それによって抑制性サイトカインを産生し、過剰な免疫反応を抑えるために行われることであり、HPSなど炎症が引き起こされた結果の現象であるとされる。*5

一次性(遺伝性)のものはパーフォリン遺伝子変異が関わるとされる。*6

血球貪食症候群の治療

一次性のものは造血幹細胞移植。二次性のものは、その原因となる疾患のステロイドガンマグロブリン製剤による治療。

タグ: 疾患 症候群 血球 貪食

*1熊本保健科学大学学術情報リポジトリ GM-CSF 刺激によるマクロファージにおける signal regulatory protein α の発現動態: https://khsu.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=154&item_no=1&page_id=13&block_id=48
*2大阪市立大学・大学院医学研究科 血液腫瘍制御学 医学部 臨床検査医学 医学部附属病院 血液内科・造血細胞移植科 血球貪食症候群1: http://www.med.osaka-cu.ac.jp/labmed/page119.html
*3過剰な炎症性刺激により誘発される血球貪食の発症メカニズムを解明! | 金沢大学: https://www.kanazawa-u.ac.jp/rd/49816
*4血球貪食症候群(HPS、HLH) | 京都府立医科大学での小児がん治療 | 京都府立医科大学 小児科学教室: http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/ped/cancer/about/hlh.html
*5国立大学法人 東京医科歯科大学 過剰な免疫反応を抑制する新たな樹状細胞のはたらきを発見 ~感染症や自己免疫疾患治療に新たな視点~: http://www.tmd.ac.jp/mri/bre/kenkyushokainext.html
*6抗腫瘍免疫反応機構の研究の進展 | SciencePortal China: https://spc.jst.go.jp/hottopics/1008immune_system/r1008_fan.html

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このページの最終更新日時: 2020-11-07 (土) 08:37:06