補体(complement)

侵入してきた病原体の無毒化や抗体による免疫機能を補助する血清中のタンパク質。多くの脊椎動物で見られ、ヒトでは30種類があり、肝臓で作られる。

初期の多細胞生物であるホヤやクラゲ、イソギンチャクなどもC3と呼ばれる補体を持つ。*1

補体は、血液中に存在する約20種の易熱性のタンパク質からなる複雑な反応系で、溶菌作用、オプソニン作用貪食細胞感染部位への集合を促進するなどの機能をもつ。*2

抗体病原体に結合しただけではそれを殺すことはできないが、補体によって抗体の防御機能を高めることができる。補体は結合した病原体の目印となり、補体のついていない病原体よりも白血球によって貪食されやすい(オプソニン作用)。*3

元々は、微生物表面のマンノース糖鎖レクチンによって認識することで活性化していたが、進化の過程で抗原抗体複合体によっても活性化されるようになったとされる。*4

補体の活性化経路*5

この3つの経路はC3活性化の段階で合流するので、C3補体系の中で中心的な役割を果たすと言える。*6

補体の活性化の順番は、C1C4C2C3bC5bC6C7?C8?。最終的に膜侵襲複合体C5b6789)となる。*7

*1技術評論社 西村尚子 知っているようで知らない免疫の話 ヒトの免疫はミミズの免疫とどう違う?(2010/8/25)
*2福岡大学 理学部 化学科 免疫: http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/immunity.htm#complement
*3オーム社 絵とき 免疫学の知識 垣内史堂
*4技術評論社 桂義元 免疫はがんに何をしているのか? 見えてきた免疫のメカニズム 2016/12/25
*5第一薬科大学 分子生命化学教室 免疫学講義 荒牧弘範: http://square.umin.ac.jp/haramaki/yakudai/meneki/102407.pdf
*6補体制御因子と腎疾患 遠藤守人: https://hachinohe-hachitan.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=111&item_no=1&page_id=45&block_id=102
*7西東社 カラー図解 免疫学の基本がわかる事典 鈴木隆二(2015/6/3): https://amzn.to/2SW7bg

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このページの最終更新日時: 2019-04-23 (火) 15:49:20