健康用語WEB事典

褐色脂肪細胞(brown fat cell)

脂肪細胞のひとつ。熱を作るミトコンドリアが多く含まれるため褐色に見える。複数の脂肪滴を持つことから多胞性脂肪細胞とも呼ばれる。大きさは白色脂肪細胞の10分の1程度。

褐色脂肪細胞は鎖骨付近や肩甲骨周囲、脊椎周囲、などに分布し、脂肪を使って熱を産生する働きを持つ。脂肪をエネルギーに変換する際は、白色脂肪細胞と同じくアドレナリン受容体が関わる。*1

褐色脂肪細胞にはTRPV2が多く発現し、寒冷環境下(4℃)では交感神経の活動上昇に伴ってさらにその発現量が増加する。このTRPV2が刺激されることでUCP1の熱産生が促進される。これらの仕組みが脂肪を利用するため、褐色脂肪細胞が多いほうが肥満を抑制できることがマウスの実験によって確認されている。*2

褐色脂肪細胞は生後の体温維持に重要であり新生児に多いが、加齢に伴い減少する。しかし、成人でも継続的な運動によって白色脂肪細胞から褐色脂肪細胞に似たベージュ脂肪細胞を増加させることができるとされる。*3*4*5

褐色脂肪細胞とは脂肪を分解して熱を産生する細胞で、ヒト成人にも存在するが加齢とともに減少する。この細胞は、動物実験から肥満防止や代謝改善に効果が実証されおり、メタボリックシンドロームの治療開発の創薬標的として注目されている。*6

褐色脂肪細胞にはミトコンドリアが多く、脱共役タンパク質 UCP1 (uncoupling protein-1) の働きによりATPの代わりに熱を産生します。褐色脂肪細胞は筋細胞と同じ系統のmyf5?発現細胞からできることが明らかにされており、この分化の方向決定に重要な因子としてPRDM16?が報告されています。*7

白色脂肪細胞から発生するUCP1陽性のものをベージュ脂肪細胞ブライト脂肪細胞)と呼ぶ。褐色脂肪細胞に似ているが、厳密には同じものではないとされる。ベージュ脂肪細胞は長期間冷たい刺激を受けることで皮下白色脂肪細胞から変化して生じるとされる。*8*9

*1健康欄 一般の方々へ | 東京大学 代謝医学分野 酒井研究室: http://www.mm.rcast.u-tokyo.ac.jp/lab/word.html
*2褐色脂肪細胞においてエネルギー消費を促す新たなメカニズムを発見 --からだの熱産生に褐色脂肪細胞のTRPV2チャネルが関与-- - 生理学研究所: http://www.nips.ac.jp/release/2016/02/_trpv2.html
*3後藤佐多良 摂取カロリーと老化: http://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/aging/doc2/doc2-01-2-11.html
*4CiNii 論文 -  日本人の腎周囲脂肪における褐色脂肪組織の出現について: https://ci.nii.ac.jp/naid/130003725718/
*5KAKEN — 研究課題をさがす | 2012 年度 実施状況報告書 (KAKENHI-PROJECT-23591598) 新生児皮下脂肪壊死症は褐色脂肪組織のアポトーシスにより生じる: https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-23591598/235915982012hokoku/
*6アイロムグループ、ヒトの褐色脂肪細胞の量産技術で日米で特許取得 2016/11/18(金) 13:57:55: http://news.braina.com/2016/1118/enter_20161118_001____.html
*7脂肪細胞の分化メカニズム|遺伝子制御学研究室|筑波大学: http://www.md.tsukuba.ac.jp/basic-med/biochem/gene/research3.html
*8脱リン酸化制御による脂肪分解の新たな分子基盤 広島大学大学院 医歯薬保健学研究院 細胞分子薬理学: https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/146/2/146_93/_article/references/-char/ja/
*9ベージュ脂肪細胞(Beige adipocyte)酒井寿郎(東京大学 先端科学技術研究センター・東北大学大学院 医学系研究科): http://www.nips.ac.jp/thermalbio/handbook/2-9v2.pdf

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このページの最終更新日時: 2018-05-01 (火) 10:57:59