ATP感受性カリウムイオンチャネル(ATP-sensitive potassium channel)

細胞膜ミトコンドリア内膜に存在するイオンチャネル細胞内の代謝状態と細胞膜の興奮性を結びつけている。ミトコンドリア内膜に存在するものは細胞保護やアポトーシス抑制に関与する。ATP感受性KチャネルやATP感受性K+チャネル、KATPチャネルなど、様々な表記揺れがある。

スルホニルウレア受容体Kir6.Xからなるヘテロ八量体構造を持つ。*1

膵臓β細胞にあるATP感受性カリウムイオンチャネルはインスリン分泌調節の中心的役割を担うとされる。細胞内のATPの濃度が増加すると閉じ、逆にATPの濃度が減少するか細胞内のADPの濃度が上昇すると開く(ATP/ADP比の減少)。*2

グルコースβ細胞代謝されるとATPが増加する。それ反応したATP感受性カリウムイオンチャネルが閉じて、細胞膜脱分極が起こり、電位依存性カルシウムチャネルVDCC)が開いてカルシウムイオン細胞内に流入することでインスリン分泌が起こるとされる。*3*4

ATP感受性カリウムイオンチャネルのサブユニット

以下のサブユニットの組み合わせで構成される。

組み合わせは細胞の種類によって異なる。*5

細胞の種類サブユニット役割
膵β細胞Kir6.2?/SUR1インスリン分泌調節
心筋骨格筋Kir6.2?/SUR2A?虚血時の心筋保護作用、取り込み調節、疲労時の骨格筋保護
平滑筋Kir6.2?/SUR2B?平滑筋トーヌス調節
血管平滑筋Kir6.1?/SUR2B?血管拡張・収縮調節
大脳黒質Kir6.2?/SUR1酸素時の痙攣の抑制
視床下部腹内側核Kir6.2?/SUR1低血糖時のグルカゴン分泌調節

Kir6.2?およびSUR1遺伝子異常が新生児糖尿病?の発症原因となり得る。

*1ATP感受性K+(KATP)チャネル制御の機能構造的理解 倉智嘉久 山田充彦: https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/126/5/126_5_311/_pdf
*2糖尿病:診断と治療の進歩 経口血糖降下薬 インスリン分泌促進薬 長嶋一昭 稲垣暢也: https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/98/4/98_737/_pdf
*3膵β細胞の生物学・病態学|京都大学 糖尿病・内分泌・栄養内科: http://metab-kyoto-u.jp/to_doctor/outline/01.html
*4糖尿病の治療薬-第2回 スルホニル尿素薬(SU薬)とグリニド薬|糖尿病特集サイト メディマグ: https://dm.medimag.jp/column/8_1.html
*5糖尿病:診断と治療の進歩 経口血糖降下薬 インスリン分泌促進薬 長嶋一昭 稲垣暢也

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このページの最終更新日時: 2018-08-21 (火) 14:09:26