C/EBPファミリーに属する転写因子として働くタンパク質。小胞体ストレスにより誘導され、細胞にアポトーシスを誘導する。*1
細胞内でのタンパク質合成などが過剰になった小胞体ストレス時に劇的に増加する。
肥満状態の脂肪細胞でも増加する。動脈硬化やインスリン分泌量の低下に繋がることが確認されている。*2
これまで、本研究グループは、血管細胞における CHOP の増加が動脈硬化につながること(Circulation 124:830-9, 2011)や膵β細胞での小胞体ストレスがインスリンの分泌を減らしてしまうこと(Cell Metabolism 7: 269-76, 2008 など)などを見出しています。これらを総合すると、肥満状態における各臓器の細胞での小胞体ストレスによる CHOP の増加は、インスリン抵抗性と分泌低下の両面から糖尿病発症につながること、さらには、メタボリックシンドロームと血管障害の両面から動脈硬化につながることが考えられ、本研究で解明された分子機序は、糖尿病・メタボリックシンドロームおよび動脈硬化に対する統合的な治療標的になるものとして、大いに期待されます。*3
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