FUT2 †
FUT2とは、フコースを特定の糖鎖に転移させる酵素であるフコース転移酵素のファミリーに属し、主に分泌型のABO式血液型抗原やLewis抗原の生合成に関与するフコース転移酵素2をコードする遺伝子である。*1
FUT2遺伝子はヒトの19番染色体の長腕(19q13.3)に位置しており、分泌型と非分泌型の表現型を決定する主要な遺伝子座として機能している。*2
臨床医学や遺伝学の分野において、FUT2遺伝子の多型は個人の感染症に対する感受性や免疫応答と密接に関連していることが知られている。特に、FUT2遺伝子に変異が生じて機能が欠損した非分泌型の個体では、一部の消化器系ウイルス、例えばノロウイルスの特定の株に対する感染抵抗性を示すことが明らかにされている。*3
また、FUT2の遺伝子多型は、クローン病や潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患の発症リスク要因の一つとしても疫学研究等で広く報告されている。腸管上皮細胞表面の糖鎖構造が変化することにより、腸内細菌叢の構成や宿主と微生物との相互作用に影響を及ぼすためであると考えられている。*4
さらに、FUT2の遺伝子型はビタミンB12の血中濃度との関連性も指摘されており、代謝関連のバイオマーカーとしての側面からも研究が進められている。このように、FUT2は単なる血液型物質の分泌に関わる酵素の遺伝子にとどまらず、ヒトの疾患感受性や生理学的特性を多角的に理解する上で極めて重要な遺伝子の一つである。*5
*1National Center for Biotechnology Information: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/2523
*2Genomenom: https://genomenom.org/gene/FUT2
*3PubMed Central: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4287843/
*4PubMed Central: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3182354/
*5National Center for Biotechnology Information: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/2523
*2Genomenom: https://genomenom.org/gene/FUT2
*3PubMed Central: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4287843/
*4PubMed Central: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3182354/
*5National Center for Biotechnology Information: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/2523
ご意見・ご要望をお聞かせください。
FUT2に関する情報を検索
この用語を編集/画像添付
このページの最終更新日時: 2026-08-15 (土) 13:10:21
