免疫グロブリンのクラスのひとつ。進化的に最も後にできた抗体で、哺乳類のみが持つ。通常、健康な人の血液中には微量しか存在しない。
皮膚や粘膜の近くでつくられ、ダニなどの寄生虫からの防御に関わる。
肥満細胞などヒスタミンを含む顆粒球を持つ細胞の表面に結合しており、抗原がIgEに結合すると、それによって肥満細胞から放出されるヒスタミンなどによって痒みが現れる。痒いと手足でその部分を触れるため、体を守ることにつながる。*1
この反応が過剰になると、花粉症や喘息などのアレルギーの原因となる。*2
もとは寄生虫を認識して排除する役目をもっていたIgE抗体が、生活環境の向上で激減した寄生虫のかわりに、花粉を認識するようになってしまったのではないか、との説が有力視されている。その根拠とされるのは、スギ花粉のタンパク質の立体構造やアミノ酸配列の一部が、寄生虫由来のタンパク質の立体構造やアミノ酸配列によく似ているということだ。*3
肥満細胞や好塩基球に存在するFcεRI?に結合して、炎症性サイトカインなどの分泌が起こる。IgEの血液中における半減期は数時間。アレルギーの患者は血液中のIgE濃度が長期間高くなることが報告されている。*4
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