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*γ-アミノ酪酸&size(16){(gamma-aminobutyric acid : GABA)}; [#z5e0f22b] [[抑制性シナプス]]の[[神経伝達物質]]として働く[[アミノ酸]]。[[GABA]]([[ギャバ]])とも表記される。((特集:GABAのはたらき - 理研BSIニュース No. 37(2007年10月号)- 独立行政法人 理化学研究所 脳科学総合研究センター(理研BSI): http://www.brain.riken.jp/bsi-news/bsinews37/no37/special.html)) #ref(GABA.png,γ-アミノ酪酸(GABA)の化学構造,200); [[前駆体]]は[[グルタミン酸]]で、[[グルタミン酸]]の[[カルボキシル基]]が外れた構造を持つ。[[血液脳関門]]を通過できないため、[[神経細胞]]内で[[グルタミン酸]]が[[グルタミン酸デカルボキシラーゼ]]([[グルタミン酸脱炭酸酵素]])によって[[触媒]]されて生成される。((アミノ酸の分解: http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/amino_met.htm#decarboxylation))((北海道医療大学薬学部衛生薬学講座(衛生化学)和田研究室 GABA(γ-アミノ酪酸):http://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~wadakg/keyword/gaba.html)) [[GABA受容体]]に結合して[[神経]]の興奮を抑える[[抑制性神経伝達物質]]として働く。[[神経終末]]から放出されたγ-アミノ酪酸が[[GABA受容体]]に結合すると、[[イオンチャンネル]]を介して[[塩化物イオン]]が[[細胞]]内に流入し、[[神経細胞]]の興奮性が低下する。[[脳]]の[[神経細胞]]のうち約30%は[[GABA]]性の[[抑制性ニューロン]]([[GABA作動性神経]])とされる。[[胎児期]]や条件によっては[[興奮性神経伝達物質]]としても働くことが確認されている。((トランスポーターの基礎 グルタミン酸トランスポーター 田中光一: http://www.tmd.ac.jp/mri/aud/resources/CLINN2.pdf))((ドルミカム注射液10mg: http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1124401A1052_2_02/)) >成人の[[脳]]では、γ-アミノ酪酸([[GABA]])は[[GABAA受容体]]に結合し、[[神経細胞]]を[[過分極]]する[[抑制性神経伝達物質]]として知られている。しかし、幼弱な[[脳]]、あるいは成人の[[脳]]でも[[視交叉上核]]、外傷後の[[神経細胞]]に対しては、[[脱分極]]作用を示し、[[興奮性神経伝達物質]]として働くことが知られている。((KAKEN — 興奮性神経伝達物質としてのGABAの機能的役割: https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-13041016/)) [[経口摂取]]によって[[血圧]]低下作用や[[皮膚]]の弾力性改善効果が報告されている。((γ-アミノ酪酸の経口摂取による皮膚状態改善効果 外薗英樹 上原絵理子 三和酒類株式会社: https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/63/7/63_306/_article/-char/ja/)) γ-アミノ酪酸による降圧は、[[心臓]]や[[血管]]への[[自律神経]]の[[神経節]]を一時的に遮断し、これらの[[筋]]収縮を抑制することと、[[延髄]]に作用して[[バソプレシン]]の[[内分泌]]を抑制することによって起こるとされる。また、[[神経節]]などの[[GABAB受容体]]を介して[[ノルアドレナリン]]の放出を抑制することも一因とされる。((日本補完代替医療学会誌 特定保健用食品「血圧が高めの方に適する」表示をした食品について: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcam/5/1/5_1_37/_article/-char/ja/)) ただし、[[経口摂取]]によって取り入れられたγ-アミノ酪酸は[[神経細胞]]には運ばれないため、[[神経伝達物質]]としては利用されない。 >食品メーカーなどが「[[GABA]]入りの[[チョコレート]]を食べると、夜眠れますよ」といった宣伝をしているわけですが、残念ながら[[GABA]]そのものを食べても[[神経細胞]]には運ばれていきません。だから、科学的に見ればまったく無意味なことをすすめていると言えます。((技術評論社 石浦章一 タンパク質はすごい! 心と体の健康を作るタンパク質の秘密(2014/1/5))) **γ-アミノ酪酸を含む食品 [#w5fc76e1] [[トマト]]はγ-アミノ酪酸を合成する[[酵素]]を持つためγ-アミノ酪酸を多く含む。 >[[トマト]]は果実100gあたり62.6mgのγ-アミノ酪酸([[GABA]])を蓄積し、他の野菜・果実に比べて多いことが知られている。[[GABA]]は動物、植物、[[微生物]]に広く存在する[[アミノ酸]]の一種で、動物では[[血圧]]上昇抑制効果やリラックス効果などがある[[神経伝達物質]]として働く。((トマト育種の新展開 ゲノム編集技術による理想のトマトのデザイン: http://www.science-academy.jp/showcase/14/pdf/T-001_showcase2015.pdf)) 筑波大学生命環境系の江面浩教授、野中聡子助教らは、[[ゲノム]]編集技術によって[[GABA]]をより多く蓄積するトマトを作り出すことに成功した。((筑波大学|お知らせ・情報|注目の研究|健康促進トマトとして期待 ゲノム編集技術を利用してγアミノ酪酸(GABA)高含有トマトを作出: http://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p201708011800.html)) [[米]]に含まれているため、[[米]]を主食としている場合は[[サプリメント]]での補充は不要とされる。[[バナナ]]の皮にも[[グルタミン酸脱炭酸酵素]]の働きによって豊富に含まれる。((ギャバ(γ-アミノ酪酸)の抽出・合成及び活用に関する研究: http://www.fit.ac.jp/kenkyu_shokai/archives/19))
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*γ-アミノ酪酸&size(16){(gamma-aminobutyric acid : GABA)}; [#z5e0f22b] [[抑制性シナプス]]の[[神経伝達物質]]として働く[[アミノ酸]]。[[GABA]]([[ギャバ]])とも表記される。((特集:GABAのはたらき - 理研BSIニュース No. 37(2007年10月号)- 独立行政法人 理化学研究所 脳科学総合研究センター(理研BSI): http://www.brain.riken.jp/bsi-news/bsinews37/no37/special.html)) #ref(GABA.png,γ-アミノ酪酸(GABA)の化学構造,200); [[前駆体]]は[[グルタミン酸]]で、[[グルタミン酸]]の[[カルボキシル基]]が外れた構造を持つ。[[血液脳関門]]を通過できないため、[[神経細胞]]内で[[グルタミン酸]]が[[グルタミン酸デカルボキシラーゼ]]([[グルタミン酸脱炭酸酵素]])によって[[触媒]]されて生成される。((アミノ酸の分解: http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/amino_met.htm#decarboxylation))((北海道医療大学薬学部衛生薬学講座(衛生化学)和田研究室 GABA(γ-アミノ酪酸):http://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~wadakg/keyword/gaba.html)) [[GABA受容体]]に結合して[[神経]]の興奮を抑える[[抑制性神経伝達物質]]として働く。[[神経終末]]から放出されたγ-アミノ酪酸が[[GABA受容体]]に結合すると、[[イオンチャンネル]]を介して[[塩化物イオン]]が[[細胞]]内に流入し、[[神経細胞]]の興奮性が低下する。[[脳]]の[[神経細胞]]のうち約30%は[[GABA]]性の[[抑制性ニューロン]]([[GABA作動性神経]])とされる。[[胎児期]]や条件によっては[[興奮性神経伝達物質]]としても働くことが確認されている。((トランスポーターの基礎 グルタミン酸トランスポーター 田中光一: http://www.tmd.ac.jp/mri/aud/resources/CLINN2.pdf))((ドルミカム注射液10mg: http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1124401A1052_2_02/)) >成人の[[脳]]では、γ-アミノ酪酸([[GABA]])は[[GABAA受容体]]に結合し、[[神経細胞]]を[[過分極]]する[[抑制性神経伝達物質]]として知られている。しかし、幼弱な[[脳]]、あるいは成人の[[脳]]でも[[視交叉上核]]、外傷後の[[神経細胞]]に対しては、[[脱分極]]作用を示し、[[興奮性神経伝達物質]]として働くことが知られている。((KAKEN — 興奮性神経伝達物質としてのGABAの機能的役割: https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-13041016/)) [[経口摂取]]によって[[血圧]]低下作用や[[皮膚]]の弾力性改善効果が報告されている。((γ-アミノ酪酸の経口摂取による皮膚状態改善効果 外薗英樹 上原絵理子 三和酒類株式会社: https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/63/7/63_306/_article/-char/ja/)) γ-アミノ酪酸による降圧は、[[心臓]]や[[血管]]への[[自律神経]]の[[神経節]]を一時的に遮断し、これらの[[筋]]収縮を抑制することと、[[延髄]]に作用して[[バソプレシン]]の[[内分泌]]を抑制することによって起こるとされる。また、[[神経節]]などの[[GABAB受容体]]を介して[[ノルアドレナリン]]の放出を抑制することも一因とされる。((日本補完代替医療学会誌 特定保健用食品「血圧が高めの方に適する」表示をした食品について: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcam/5/1/5_1_37/_article/-char/ja/)) ただし、[[経口摂取]]によって取り入れられたγ-アミノ酪酸は[[神経細胞]]には運ばれないため、[[神経伝達物質]]としては利用されない。 >食品メーカーなどが「[[GABA]]入りの[[チョコレート]]を食べると、夜眠れますよ」といった宣伝をしているわけですが、残念ながら[[GABA]]そのものを食べても[[神経細胞]]には運ばれていきません。だから、科学的に見ればまったく無意味なことをすすめていると言えます。((技術評論社 石浦章一 タンパク質はすごい! 心と体の健康を作るタンパク質の秘密(2014/1/5))) **γ-アミノ酪酸を含む食品 [#w5fc76e1] [[トマト]]はγ-アミノ酪酸を合成する[[酵素]]を持つためγ-アミノ酪酸を多く含む。 >[[トマト]]は果実100gあたり62.6mgのγ-アミノ酪酸([[GABA]])を蓄積し、他の野菜・果実に比べて多いことが知られている。[[GABA]]は動物、植物、[[微生物]]に広く存在する[[アミノ酸]]の一種で、動物では[[血圧]]上昇抑制効果やリラックス効果などがある[[神経伝達物質]]として働く。((トマト育種の新展開 ゲノム編集技術による理想のトマトのデザイン: http://www.science-academy.jp/showcase/14/pdf/T-001_showcase2015.pdf)) 筑波大学生命環境系の江面浩教授、野中聡子助教らは、[[ゲノム]]編集技術によって[[GABA]]をより多く蓄積するトマトを作り出すことに成功した。((筑波大学|お知らせ・情報|注目の研究|健康促進トマトとして期待 ゲノム編集技術を利用してγアミノ酪酸(GABA)高含有トマトを作出: http://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p201708011800.html)) [[米]]に含まれているため、[[米]]を主食としている場合は[[サプリメント]]での補充は不要とされる。[[バナナ]]の皮にも[[グルタミン酸脱炭酸酵素]]の働きによって豊富に含まれる。((ギャバ(γ-アミノ酪酸)の抽出・合成及び活用に関する研究: http://www.fit.ac.jp/kenkyu_shokai/archives/19))
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