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*ビタミンB12(vitamin B12) [#y86a9db6] 人体に必要な[[ビタミン]]のひとつ。[[ビタミンB]]に分類される[[水溶性ビタミン]]。1948年に[[悪性貧血]]の特効薬として発見された。((九州大学工学研究院 応用化学部門 教授 久枝良雄 ビタミンB12酵素機能をもつバイオインスパイアード触媒: http://www.dojindo.co.jp/letterj/155/review/01.html)) 12という数字は見つかった順番ではなく、当時次々と[[ビタミンB]]群が発見されていたため、番号が重ならないように余裕を持たせたため。 [[化学]]名は[[コバラミン]]。以下の複数の[[化合物]]がビタミンB12に分類される。((日本人の食事摂取基準を改定するためのエビデンスの構築に関する研究 -微量栄養素と多量栄養素摂取量のバランスの解明- 主任研究者 柴田 克己 滋賀県立大学 教授: http://www.shc.usp.ac.jp/shibata/H20-IV-2.pdf)) -[[シアノコバラミン]] -[[アデノシルコバラミン]] -[[メチルコバラミン]]([[メコバラミン]]) -[[スルフィトコバラミン]] -[[ヒドロキソコバラミン]] [[サプリメント]]には[[シアノコバラミン]]や[[ヒドロキソコバラミン]]として含まれる。食品に含まれるビタミンB12は、主に[[タンパク質]]と結合している。 [[コバルト]]を含むため赤く見える。弱[[酸性]]で安定であるが、[[アルカリ性]]や強[[酸性]]、光によって分解される。((かんき出版 安田和人 あなたに必要なビタミンを教えます(1995/3/22))) 体内の貯蔵量は2~5mg。((自己免疫性血液疾患:診断と治療の進歩 悪性貧血 廣川誠: https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/103/7/103_1609/_pdf)) **ビタミンB12の働き [#ja584c49] 体内では[[メチルコバラミン]]や[[アデノシルコバラミン]]として存在し、[[補酵素]]として働く。ビタミンB12が関わる[[酵素]]反応は10種類以上が確認されている。((九州大学大学院工学研究院 ビタミンB12 人工酵素 光の照射で環境汚染物質を分解!: http://www.chem.kyushu-u.ac.jp/~yhisaeda/wp-content/uploads/2014/09/32-37kai_hisaeda02.pdf)) >ビタミンB12は生体内に取り込まれると[[補酵素]]型である[[アデノシルコバラミン]]または[[メチルコバラミン]]に変換される。前者は[[異性化]]、脱離、[[転移]]、[[還元]]などの反応に関与し、後者は[[C1代謝]]に関与し[[メチオニンシンターゼ]]の[[補酵素]]として機能する。((X線構造解析された酵素・タンパク質(B12関連): http://www.sci.u-hyogo.ac.jp/life/biophys1/shibach/B12.htm)) -[[タンパク質]]の[[代謝]] -[[タンパク質]]や[[核酸]]の[[生合成]] -[[赤血球]]の生産([[葉酸]]の働きを補助) **ビタミンB12の食事摂取推奨量((日本人の食事摂取基準(2015年版)スライド集: http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000056112.html)) [#x719ea07] |~年齢(歳)|~推奨量(μg/日)| |1~2|0.9| |3~5|1.0| |6~7|1.3| |8~9|1.5| |10~11|1.8| |12~14|2.3| |15~17|2.5| |18~29|2.4| |30~49|2.4| |50~69|2.4| |70~|2.4| **ビタミンB12の欠乏症 [#rd3cb82a] -[[巨赤芽球性貧血]]([[高ホモシステイン血症]]が原因となる場合がある) -[[動脈硬化]]及び[[脳]][[血管]]障害([[メチオニンシンターゼ]]の活性低下が原因) -[[末梢神経]]の異常 ビタミンB12は動物性の食品に含まれるため、肉を摂取しない菜食主義者はビタミンB12が欠乏しやすい。 >インドでの外来患者4680人を対象にした5年間にわたる調査では、[[血液]]中のビタミンB12の数値が低い患者の大半が菜食主義者で、[[心臓病]]や[[脳卒中]]などを発症するリスクは肉なども食べる人に比べ、約4倍に達していました。((中央公論新社 中川恵一 知れば怖くない 本当のがんの話 (2017/1/15))) ビタミンB12は欠乏状態であっても[[血液]]中の値が正常である場合がある。そのため、ビタミンB12の欠乏によって高値となる[[血漿]]の総[[ホモシステイン]]量を測定すべきとされる。((「一目瞭然!眼で診る症例」問題 高田俊彦 生坂政臣: https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/102/12/102_3261/_pdf)) **ビタミンB12の代謝 [#ibcb7942] ビタミンB12の吸収過程は以下の通り。((京都女子大学学術情報リポジトリ 長期保存食品中ビタミンB12の保存による変化: http://repo.kyoto-wu.ac.jp/dspace/bitstream/11173/1521/1/0100_068_002.pdf))((https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/130/11/130_11_1453/_pdf))((日本人の水溶性ビタミン必要量に関する基礎的研究 主任研究者 柴田克己 滋賀県立大学 教授: http://www.shc.usp.ac.jp/shibata/H14Report.II-06.pdf)) +[[胃酸]]と[[ペプシン]]の作用により、[[ビタミンB12]]と結合している[[タンパク質]]が分解され、[[ビタミンB12]]が遊離し、[[唾液]]に含まれる[[ハプトコリン]]と結合する。 +[[十二指腸]]に運ばれ、[[膵プロテアーゼ]]の作用によって[[ハプトコリン]]が部分分解を受けると再び[[ビタミンB12]]が遊離する。 +[[ビタミンB12]]が[[胃壁]]の[[細胞]]が[[分泌]]する[[内因子]]と結合する。 +[[回腸]]の[[上皮細胞]]の表面に存在する[[受容体]]である[[キュビリン]]に結合して、その[[上皮細胞]]に取り込まれる。 +[[リゾチーム]]で再び[[ビタミンB12]]が遊離し、[[トランスコバラミンⅡ]]と結合することで[[血液]]中に運ばれる。 したがって、[[胃]]を摘出したり、[[胃]]で[[タンパク質]]をうまく分解できないとビタミンB12を吸収することができなくなる。
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*ビタミンB12(vitamin B12) [#y86a9db6] 人体に必要な[[ビタミン]]のひとつ。[[ビタミンB]]に分類される[[水溶性ビタミン]]。1948年に[[悪性貧血]]の特効薬として発見された。((九州大学工学研究院 応用化学部門 教授 久枝良雄 ビタミンB12酵素機能をもつバイオインスパイアード触媒: http://www.dojindo.co.jp/letterj/155/review/01.html)) 12という数字は見つかった順番ではなく、当時次々と[[ビタミンB]]群が発見されていたため、番号が重ならないように余裕を持たせたため。 [[化学]]名は[[コバラミン]]。以下の複数の[[化合物]]がビタミンB12に分類される。((日本人の食事摂取基準を改定するためのエビデンスの構築に関する研究 -微量栄養素と多量栄養素摂取量のバランスの解明- 主任研究者 柴田 克己 滋賀県立大学 教授: http://www.shc.usp.ac.jp/shibata/H20-IV-2.pdf)) -[[シアノコバラミン]] -[[アデノシルコバラミン]] -[[メチルコバラミン]]([[メコバラミン]]) -[[スルフィトコバラミン]] -[[ヒドロキソコバラミン]] [[サプリメント]]には[[シアノコバラミン]]や[[ヒドロキソコバラミン]]として含まれる。食品に含まれるビタミンB12は、主に[[タンパク質]]と結合している。 [[コバルト]]を含むため赤く見える。弱[[酸性]]で安定であるが、[[アルカリ性]]や強[[酸性]]、光によって分解される。((かんき出版 安田和人 あなたに必要なビタミンを教えます(1995/3/22))) 体内の貯蔵量は2~5mg。((自己免疫性血液疾患:診断と治療の進歩 悪性貧血 廣川誠: https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/103/7/103_1609/_pdf)) **ビタミンB12の働き [#ja584c49] 体内では[[メチルコバラミン]]や[[アデノシルコバラミン]]として存在し、[[補酵素]]として働く。ビタミンB12が関わる[[酵素]]反応は10種類以上が確認されている。((九州大学大学院工学研究院 ビタミンB12 人工酵素 光の照射で環境汚染物質を分解!: http://www.chem.kyushu-u.ac.jp/~yhisaeda/wp-content/uploads/2014/09/32-37kai_hisaeda02.pdf)) >ビタミンB12は生体内に取り込まれると[[補酵素]]型である[[アデノシルコバラミン]]または[[メチルコバラミン]]に変換される。前者は[[異性化]]、脱離、[[転移]]、[[還元]]などの反応に関与し、後者は[[C1代謝]]に関与し[[メチオニンシンターゼ]]の[[補酵素]]として機能する。((X線構造解析された酵素・タンパク質(B12関連): http://www.sci.u-hyogo.ac.jp/life/biophys1/shibach/B12.htm)) -[[タンパク質]]の[[代謝]] -[[タンパク質]]や[[核酸]]の[[生合成]] -[[赤血球]]の生産([[葉酸]]の働きを補助) **ビタミンB12の食事摂取推奨量((日本人の食事摂取基準(2015年版)スライド集: http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000056112.html)) [#x719ea07] |~年齢(歳)|~推奨量(μg/日)| |1~2|0.9| |3~5|1.0| |6~7|1.3| |8~9|1.5| |10~11|1.8| |12~14|2.3| |15~17|2.5| |18~29|2.4| |30~49|2.4| |50~69|2.4| |70~|2.4| **ビタミンB12の欠乏症 [#rd3cb82a] -[[巨赤芽球性貧血]]([[高ホモシステイン血症]]が原因となる場合がある) -[[動脈硬化]]及び[[脳]][[血管]]障害([[メチオニンシンターゼ]]の活性低下が原因) -[[末梢神経]]の異常 ビタミンB12は動物性の食品に含まれるため、肉を摂取しない菜食主義者はビタミンB12が欠乏しやすい。 >インドでの外来患者4680人を対象にした5年間にわたる調査では、[[血液]]中のビタミンB12の数値が低い患者の大半が菜食主義者で、[[心臓病]]や[[脳卒中]]などを発症するリスクは肉なども食べる人に比べ、約4倍に達していました。((中央公論新社 中川恵一 知れば怖くない 本当のがんの話 (2017/1/15))) ビタミンB12は欠乏状態であっても[[血液]]中の値が正常である場合がある。そのため、ビタミンB12の欠乏によって高値となる[[血漿]]の総[[ホモシステイン]]量を測定すべきとされる。((「一目瞭然!眼で診る症例」問題 高田俊彦 生坂政臣: https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/102/12/102_3261/_pdf)) **ビタミンB12の代謝 [#ibcb7942] ビタミンB12の吸収過程は以下の通り。((京都女子大学学術情報リポジトリ 長期保存食品中ビタミンB12の保存による変化: http://repo.kyoto-wu.ac.jp/dspace/bitstream/11173/1521/1/0100_068_002.pdf))((https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/130/11/130_11_1453/_pdf))((日本人の水溶性ビタミン必要量に関する基礎的研究 主任研究者 柴田克己 滋賀県立大学 教授: http://www.shc.usp.ac.jp/shibata/H14Report.II-06.pdf)) +[[胃酸]]と[[ペプシン]]の作用により、[[ビタミンB12]]と結合している[[タンパク質]]が分解され、[[ビタミンB12]]が遊離し、[[唾液]]に含まれる[[ハプトコリン]]と結合する。 +[[十二指腸]]に運ばれ、[[膵プロテアーゼ]]の作用によって[[ハプトコリン]]が部分分解を受けると再び[[ビタミンB12]]が遊離する。 +[[ビタミンB12]]が[[胃壁]]の[[細胞]]が[[分泌]]する[[内因子]]と結合する。 +[[回腸]]の[[上皮細胞]]の表面に存在する[[受容体]]である[[キュビリン]]に結合して、その[[上皮細胞]]に取り込まれる。 +[[リゾチーム]]で再び[[ビタミンB12]]が遊離し、[[トランスコバラミンⅡ]]と結合することで[[血液]]中に運ばれる。 したがって、[[胃]]を摘出したり、[[胃]]で[[タンパク質]]をうまく分解できないとビタミンB12を吸収することができなくなる。
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