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*活性酸素(reactive oxygen) [#x3c623f3] [[呼吸]]で取り込んだ[[酸素]]が体内で[[代謝]]される過程で、他の物質と反応しやすく不安定な状態に変化する。このような不安定で他の物質を[[酸化]]する、[[酸素]]に関連する[[分子]]や[[イオン]]を活性酸素と呼ぶ。 **活性酸素の作用 [#u99ce1a0] 活性酸素は殺[[菌]]効果があり、外部から侵入した[[菌]]に対抗するなど体に必要な働きもするが、過剰に増えると[[脂質]]などの[[細胞]]を[[酸化]]する原因となる。[[タンパク質]]上の[[システイン]][[残基]]を[[酸化]]するとされる。((広島大学大学院医歯薬学総合研究科創製医科学専攻探索医科学講座医化学研究室 研究内容紹介(鎌田グループ) ストレスに応答したNF-κBの活性化機構と細胞応答の解析: https://home.hiroshima-u.ac.jp/ikagaku/researches_kamata.html)) 人体は[[酸素]]を利用する過程で様々な活性酸素が発生するため、それを取り除く仕組みを持っているが、過剰な増加や想定していない箇所での活性酸素の発生などによって[[ストレス]]を受けることになる。これを[[酸化ストレス]]と呼ぶ。 >[[過酸化脂質]]の原因となる活性酸素([[フリーラジカル]]、Reactive oxygen species; [[ROS]])は体内で日常的に生成しているが、健康なヒトの場合は抗[[酸化]]機構と[[過酸化]]の修復機構が正常かつ効果的に働くため、[[酸化]]障害はほとんど顕在化しない。しかし、様々な要因により強い[[酸化ストレス]]が生じると、このバランスが崩れ、[[脂質]]の[[過酸化]]が進行する。((過酸化脂質と生活習慣病 東北大学大学院農学研究科機能分子解析学分野 宮澤陽夫: http://www.nncj.nestle.co.jp/asset-library/documents/04-%E5%AE%AE%E6%BE%A4.pdf)) >[[活性酸素種]]は[[細胞]]に損傷を与えうる、反応性の高い有害な物質と考えられています。[[活性酸素種]]が[[細胞膜]]や[[細胞小器官]]と反応して[[過酸化脂質]]を生成し、この[[過酸化脂質]]は[[DNA]]や[[タンパク質]]の正常な[[代謝]]を障害すると考えられ、[[GSTT2]]は[[過酸化脂質]]を[[代謝]]する[[酵素]]の一つです。((iPS細胞由来神経堤細胞を用いてシャルコー・マリー・トゥース病の病態に関連する分子変化を解明|ニュース|ニュース・イベント|CiRA(サイラ) | 京都大学 iPS細胞研究所: http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/170721-110000.html)) 以上のように活性酸素は[[がん]]や[[動脈硬化]]などの様々な疾患を引き起こすとされる。 **活性酸素の種類((長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 医療情報解析学研究室 和田光弘 機能性食品の活性酸素種消去能の評価: http://www.ph.nagasaki-u.ac.jp/openseminar/data/pharma/030828.pdf))((酸化ストレスと健康(江口 裕伸、藤原 範子、大河原 知水、鈴木 敬一郎、谷口 直之): http://plaza.umin.ac.jp/j-jabs/32/32.247.pdf)) [#i4296241] 以下の活性酸素に分類される物質を総称して[[活性酸素種]]([[ROS]])と呼ぶ。 ***[[フリーラジカル]] [#f3cb4400] -[[スーパーオキシド]](スーパーオキシドアニオンラジカル) -[[ヒドロキシラジカル]] -[[ヒドロペルオキシラジカル]] -[[一酸化窒素]] -[[次亜塩素酸イオン]] -[[チイルラジカル]] ***活性酸素に容易に変化する物質 [#ye25ae34] -[[一重項酸素]] -[[過酸化水素]] ***[[過酸化脂質]] [#k59e8e85] 活性酸素種と[[不飽和脂肪酸]]の反応によって生成する。 -[[ペルオキシラジカル]] -[[アルコキシラジカル]] **活性酸素の発生原因 [#jf888cfd] -使用されなかった[[酸素]]が変化(取り入れた[[酸素]]の約2%分が活性酸素となる) -[[紫外線]] -[[放射線]] -過剰に激しい[[運動]] -[[喫煙]]・[[受動喫煙]] -大気汚染物質 -[[薬剤]] 血流が一定時間止まった後に血流が再開すると、大量の活性酸素が発生し、それが[[しびれ]]の原因になっていると考えられている。((「しびれ」による痛みのメカニズムを解明 -糖尿病や血流障害によるしびれ治療薬の開発に期待- — 京都大学: http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2015/160317_1.html)) ***発生場所 [#g94c116f] 体内で最も[[酸素]]が消費される[[ミトコンドリア]]が主な発生源。[[ミトコンドリア]]の[[電子伝達系]]による[[ATP]]生産の過程で起こる、[[酸素]]の不完全な[[還元]]によって発生するとされる。((活性酸素と抗酸化物質の化学 中村成夫 日本医科大学基礎科学化学: http://www2.nms.ac.jp/jmanms/pdf/009030164.pdf)) >[[生体]]内の主な[[活性酸素種]]発生源は[[ミトコンドリア]]です。[[ミトコンドリア]]は[[生体]]内の約95%の[[酸素]]を消費し、そのうち1~3%が[[活性酸素種]]に変換されると推測されています。((生体内のレドックス(酸化還元)反応と活性酸素種 | 学校法人東邦大学: http://www.toho-u.ac.jp/sci/bio/column/031624.html)) **活性酸素の除去 [#d2831e70] [[抗酸化作用]]を持つ栄養素([[ビタミンE]]、[[リコピン]]、[[βカロテン]]など)の摂取によって体内の活性酸素を減らすことができる。 **活性酸素の歴史 [#u0e64e1f] [[放射線]]による[[ラジカル]]の発生は1900年前後に知られていたが、[[放射線]]以外にもそれが発生することが、1960年代の研究により[[スーパーオキシド]]が発見されたことを期に知られるようになった。 >1960年代に[[スーパーオキシド]]の発見などから、OH[[ラジカル]]などの活性種は必ずしも[[放射線]]照射によらずとも、光や[[酸素]]に依存する[[生物]]の[[代謝]]系において屡々生成する機会 があり、それらが色々な疾病から[[老化]]など[[生体]]機能に深刻な影響を与えることがあきらかになって、今日改めて活性酸素と呼んでその生成と反応が[[化学]]と[[生物]]学の世界におIナる重要な問題として大きく注目されるようになったのです。((名古屋大学名誉教授 並木満夫 「化学と生物」とフリーラジカル: https://www.agr.nagoya-u.ac.jp/~food/Dr.Namiki%20Review.pdf))
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*活性酸素(reactive oxygen) [#x3c623f3] [[呼吸]]で取り込んだ[[酸素]]が体内で[[代謝]]される過程で、他の物質と反応しやすく不安定な状態に変化する。このような不安定で他の物質を[[酸化]]する、[[酸素]]に関連する[[分子]]や[[イオン]]を活性酸素と呼ぶ。 **活性酸素の作用 [#u99ce1a0] 活性酸素は殺[[菌]]効果があり、外部から侵入した[[菌]]に対抗するなど体に必要な働きもするが、過剰に増えると[[脂質]]などの[[細胞]]を[[酸化]]する原因となる。[[タンパク質]]上の[[システイン]][[残基]]を[[酸化]]するとされる。((広島大学大学院医歯薬学総合研究科創製医科学専攻探索医科学講座医化学研究室 研究内容紹介(鎌田グループ) ストレスに応答したNF-κBの活性化機構と細胞応答の解析: https://home.hiroshima-u.ac.jp/ikagaku/researches_kamata.html)) 人体は[[酸素]]を利用する過程で様々な活性酸素が発生するため、それを取り除く仕組みを持っているが、過剰な増加や想定していない箇所での活性酸素の発生などによって[[ストレス]]を受けることになる。これを[[酸化ストレス]]と呼ぶ。 >[[過酸化脂質]]の原因となる活性酸素([[フリーラジカル]]、Reactive oxygen species; [[ROS]])は体内で日常的に生成しているが、健康なヒトの場合は抗[[酸化]]機構と[[過酸化]]の修復機構が正常かつ効果的に働くため、[[酸化]]障害はほとんど顕在化しない。しかし、様々な要因により強い[[酸化ストレス]]が生じると、このバランスが崩れ、[[脂質]]の[[過酸化]]が進行する。((過酸化脂質と生活習慣病 東北大学大学院農学研究科機能分子解析学分野 宮澤陽夫: http://www.nncj.nestle.co.jp/asset-library/documents/04-%E5%AE%AE%E6%BE%A4.pdf)) >[[活性酸素種]]は[[細胞]]に損傷を与えうる、反応性の高い有害な物質と考えられています。[[活性酸素種]]が[[細胞膜]]や[[細胞小器官]]と反応して[[過酸化脂質]]を生成し、この[[過酸化脂質]]は[[DNA]]や[[タンパク質]]の正常な[[代謝]]を障害すると考えられ、[[GSTT2]]は[[過酸化脂質]]を[[代謝]]する[[酵素]]の一つです。((iPS細胞由来神経堤細胞を用いてシャルコー・マリー・トゥース病の病態に関連する分子変化を解明|ニュース|ニュース・イベント|CiRA(サイラ) | 京都大学 iPS細胞研究所: http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/170721-110000.html)) 以上のように活性酸素は[[がん]]や[[動脈硬化]]などの様々な疾患を引き起こすとされる。 **活性酸素の種類((長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 医療情報解析学研究室 和田光弘 機能性食品の活性酸素種消去能の評価: http://www.ph.nagasaki-u.ac.jp/openseminar/data/pharma/030828.pdf))((酸化ストレスと健康(江口 裕伸、藤原 範子、大河原 知水、鈴木 敬一郎、谷口 直之): http://plaza.umin.ac.jp/j-jabs/32/32.247.pdf)) [#i4296241] 以下の活性酸素に分類される物質を総称して[[活性酸素種]]([[ROS]])と呼ぶ。 ***[[フリーラジカル]] [#f3cb4400] -[[スーパーオキシド]](スーパーオキシドアニオンラジカル) -[[ヒドロキシラジカル]] -[[ヒドロペルオキシラジカル]] -[[一酸化窒素]] -[[次亜塩素酸イオン]] -[[チイルラジカル]] ***活性酸素に容易に変化する物質 [#ye25ae34] -[[一重項酸素]] -[[過酸化水素]] ***[[過酸化脂質]] [#k59e8e85] 活性酸素種と[[不飽和脂肪酸]]の反応によって生成する。 -[[ペルオキシラジカル]] -[[アルコキシラジカル]] **活性酸素の発生原因 [#jf888cfd] -使用されなかった[[酸素]]が変化(取り入れた[[酸素]]の約2%分が活性酸素となる) -[[紫外線]] -[[放射線]] -過剰に激しい[[運動]] -[[喫煙]]・[[受動喫煙]] -大気汚染物質 -[[薬剤]] 血流が一定時間止まった後に血流が再開すると、大量の活性酸素が発生し、それが[[しびれ]]の原因になっていると考えられている。((「しびれ」による痛みのメカニズムを解明 -糖尿病や血流障害によるしびれ治療薬の開発に期待- — 京都大学: http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2015/160317_1.html)) ***発生場所 [#g94c116f] 体内で最も[[酸素]]が消費される[[ミトコンドリア]]が主な発生源。[[ミトコンドリア]]の[[電子伝達系]]による[[ATP]]生産の過程で起こる、[[酸素]]の不完全な[[還元]]によって発生するとされる。((活性酸素と抗酸化物質の化学 中村成夫 日本医科大学基礎科学化学: http://www2.nms.ac.jp/jmanms/pdf/009030164.pdf)) >[[生体]]内の主な[[活性酸素種]]発生源は[[ミトコンドリア]]です。[[ミトコンドリア]]は[[生体]]内の約95%の[[酸素]]を消費し、そのうち1~3%が[[活性酸素種]]に変換されると推測されています。((生体内のレドックス(酸化還元)反応と活性酸素種 | 学校法人東邦大学: http://www.toho-u.ac.jp/sci/bio/column/031624.html)) **活性酸素の除去 [#d2831e70] [[抗酸化作用]]を持つ栄養素([[ビタミンE]]、[[リコピン]]、[[βカロテン]]など)の摂取によって体内の活性酸素を減らすことができる。 **活性酸素の歴史 [#u0e64e1f] [[放射線]]による[[ラジカル]]の発生は1900年前後に知られていたが、[[放射線]]以外にもそれが発生することが、1960年代の研究により[[スーパーオキシド]]が発見されたことを期に知られるようになった。 >1960年代に[[スーパーオキシド]]の発見などから、OH[[ラジカル]]などの活性種は必ずしも[[放射線]]照射によらずとも、光や[[酸素]]に依存する[[生物]]の[[代謝]]系において屡々生成する機会 があり、それらが色々な疾病から[[老化]]など[[生体]]機能に深刻な影響を与えることがあきらかになって、今日改めて活性酸素と呼んでその生成と反応が[[化学]]と[[生物]]学の世界におIナる重要な問題として大きく注目されるようになったのです。((名古屋大学名誉教授 並木満夫 「化学と生物」とフリーラジカル: https://www.agr.nagoya-u.ac.jp/~food/Dr.Namiki%20Review.pdf))
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