健康用語WEB事典

Ⅰ型インターフェロン(type I interferon)

インターフェロンの分類のひとつ。ウイルス感染時には大量に産生され、そのウイルスを排除するために働く。恒常的に僅かな量が体内に存在する。この常に僅かに分泌されるⅠ型インターフェロンは腫瘍を抑える働きを持つことが示唆されている。*1

TLRRLRによって活性化される転写因子であるIRF-3IRF-7によって誘導され、様々な抗ウイルス因子の発現を誘導する。また、ウイルス感染細胞を排除するNK細胞を活性化する。*2*3

CD40CD80CD86といった共刺激分子MHC発現を誘導し、樹状細胞を成熟させるだけでなく、ウイルス抗原クロスプレゼンテーションも促進する。また、ケモカインを誘導してリンパ球単球炎症部位に遊走させる。キラーT細胞においてその活性化や増殖、メモリーキラーT細胞の維持にも必要である。*4

Ⅰ型インターフェロンの受容体は二種類のサブユニットIFNAR1IFNAR2)から構成される。*5

以下の種類が存在する。

IFN-α(interferon-α)

Ⅰ型IFNのひとつ。インターフェロン-α。商品名はスミフェロン*6

IL-2と同様にT細胞を増殖・活性化させる作用を有し、進行性腎がんに対する効果が報告されている。*7

IFN-β(interferon-β)

Ⅰ型IFNのひとつ。インターフェロン-β。IFN-βの遺伝子の欠損はがん化の原因となることが報告されている。*8

遺伝子組換え型IFN-β

*1構成的に産生されるI型インターフェロンが細胞のがん化を抑制する:東京大学グローバルCOE 生体シグナルを基盤とする統合生命学: http://www.coe.s.u-tokyo.ac.jp/integr-life/findings/research081214.html
*2Akira Lab. : 大阪大学 微生物病研究所 / 免疫学フロンティア研究センター 自然免疫学分野: http://hostdefense.ifrec.osaka-u.ac.jp/ja/topics/2011/03/20110325immunity.html
*3エッセンシャル免疫学 第2版|MEDSi メディカル・サイエンス・インターナショナル: http://www.medsi.co.jp/e-meneki2/
*4自然免疫におけるウイルス感染認識機構 植松智 審良静男 大阪大学微生物病研究所自然免疫学: http://jsv.umin.jp/journal/v56-1pdf/virus56-1_001-008.pdf
*5北海道大学 抗ウイルス因子インターフェロンの新たな活性制御メカニズムを解明: https://www.hokudai.ac.jp/news/131009_pr_pharm.pdf
*6スミフェロン注バイアル300万IU/スミフェロン注DS300万IU/スミフェロン注DS600万IU: http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6399404A3037_3_20/
*7九州大学医学部泌尿器科|トピックス|進行性腎癌に対する免疫療法: https://www.med.kyushu-u.ac.jp/uro/topics/topics2.html
*8構成的に産生されるI型インターフェロンが細胞のがん化を抑制する:東京大学グローバルCOE 生体シグナルを基盤とする統合生命学: http://www.coe.s.u-tokyo.ac.jp/integr-life/findings/research081214.html

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このページの最終更新日時: 2019-11-25 (月) 12:26:16