健康用語WEB事典

がん幹細胞(cancer stem cells : CSCs)

幹細胞がん化したもの。普通のがん細胞に比べて数は少なく増殖も緩やかであるが、抗がん剤分子標的薬放射線治療では死滅しないとされる。*1

腫瘍組織を構成するがん細胞はすべて均一ではなく、少数のがん幹細胞が存在し、自己複製と限られた分化を繰り返しながら、腫瘍細胞を供給し、腫瘍を構成しているという「がん幹細胞」の概念が広く認知されつつある。*2

大腸がんの増殖を司るヒトのがん幹細胞化学療法後も一部が死滅せずにがんを再発させることが知られているが、これは一部のがん幹細胞が休眠状態(増殖しない状態)にあり、化学療法を生き延びてクローン増殖するためであることが確認されている。*3

がん幹細胞細胞外基質基底膜)に接着することで休眠状態を維持しており、基底膜との接着が弱まると休眠状態のがん幹細胞YAPシグナルの活性化とともに増殖を再開することが報告されている。

タグ: がん 幹細胞 腫瘍

*1新星出版社 図解 あきらめない 放置しない! がん医療 済陽高穂(2015/2/25)
*2「血液のがん -造血器腫瘍- について」 2012年9月10日 第4回 「血液学を学ぼう」 芦田隆司 近畿大学医学部附属病院 輸血・細胞治療センター 近畿大学医学部 血液・膠原病内科: https://www.med.kindai.ac.jp/transfusion/ketuekigaku-4.pdf
*3大腸がん幹細胞が化学療法後に再発するメカニズムを解明-大腸がんの再発予防・根治療法開発に光明-:[慶應義塾]: https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2022/7/8/28-125620/

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このページの最終更新日時: 2022-07-10 (日) 06:22:38