アガリクス(agaricus) †
ブラジル原産のキノコ。日本名ではカワリハラタケ。37種類あるハラタケ属のキノコの総称であり、特定のキノコを指す名前ではない。*1
特に Agaricus blazei Murill を指す場合が多い。様々な感染症やアレルギー、がんを防ぐとして古くから薬や健康食品として利用されてきた。*2
アガリクスに含まれるABMK-22という成分が肺がんを予防する効果があることが研究により確認された。
金大薬学部の太田富久教授(天然物化学)らが健康食品のキノコ「アガリクス」に含まれる成分に肺がん予防効果があることを確認し、日本の研究グループとして初めて米国国立がん研究所から研究費を受けることになった。... 太田教授がアガリクスから見つけたのは「ABMK-22」と名付けた低分子成分で、がんのマウスに飲ませたところ、飲ませないものに比べて約86%と、抗がん剤並みの増殖阻害効果があった。米国国立がん研究所のイアン・ピーター・リー博士(金大非常勤講師)による実験で毒性は全くないことが確認された。*3
ある製品に関しては、発がんを促進する作用が確認されたため回収などが行われた。しかし、アガリクスを含む全ての製品が危険というわけではない。
平成18年当時、広く国内に流通していた製法の異なる代表的なアガリクスを含む3製品について、ラット(ネズミの一種)を用いた発がんを促進する作用を確認する試験を行ったところ、「キリン細胞壁破砕アガリクス顆粒(販売者:キリンウェルフーズ(株))」について、 製品の摂取目安量の約5倍から10倍程度の量を与えたところ、多臓器イニシエーション処置を行った試験系において発がんを促進する作用が認められたものです。... 本件は、市場に流通していた代表的な3製品のうち1製品において、ラット(ネズミの一種)を用いた動物の試験において、製品の摂取目安量の約5倍から10倍程度の量を与えたところ、多臓器イニシエーション処置を行った試験系において発がんを促進する作用が認められたものであり、ヒトに対して直ちに健康被害を引き起こすという結果ではありません。*4
*2The Mushroom Agaricus blazei Murill Elicits Medicinal Effects on Tumor, Infection, Allergy, and Inflammation through Its Modulation of Innate Immun... - PubMed - NCBI: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21912538
*3米国がん研から20億円 アガリクスの予防効果で金大薬学部教授らに研究費: http://www.p.kanazawa-u.ac.jp/research/digest/20030924.html
*4厚生労働省:アガリクス(カワリハラタケ)を含む製品に関するQ&A: http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/qa/060213-1.html
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