健康用語WEB事典

アジュバント(adjuvant)

ワクチンなど薬剤免疫効果を高めるため付加される物質。免疫増強剤とも呼ばれる。*1

ワクチン接種する際に、たとえばアラムALUM : aluminum adjuvant)と呼ばれる物質を混ぜておくことがある。アラムに対する免疫反応を期待するものではなく、混合しておくと本来のワクチンに対する免疫反応を高めることができるので行われるものである。このような物質をアジュバントという。*2

語源はラテン語で「助ける」を意味する語"adjuvare"とされる。1920年代にアラムによるジフテリア破傷風トキソイドの効果増強が確認され、ワクチンとして製剤化されたのが始まりと言われている。*3

アジュバントは、樹状細胞発現するToll様受容体に結合して、その樹状細胞を活性化させ、それがT細胞を活性化させるというプロセスによって効果が現れる。アジュバントとなる物質の種類は、Toll様受容体の種類ごとに異なる。

20世紀半ばには、結核ワクチンに利用されるBCG溶連菌などをがん患者に投与して免疫機能を活性化させるアジュバント療法が行われた。国内では丸山ワクチンなどがある。*4

この効果を利用したワクチンDNAワクチンである。

タグ: 免疫 ワクチン 樹状細胞

*1◆非炎症性免疫アジュバントの開発 :: 北海道大学 産学・地域協働推進機構: http://www.mcip.hokudai.ac.jp/cms/cgi-bin/index.pl?page=contents&view_category_lang=1&view_category=1660
*2オーム社 絵とき 免疫学の知識 垣内史堂
*3アラムアジュバント効果に宿主細胞のDNAによる自然免疫が鍵を握る 石井健 (独)医薬基盤研究所・アジュバント開発プロジェクトリーダー 大阪大学免疫学フロンテイア研究センター・ワクチン学・主任研究者: http://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/jpn/research/upload_img/Ken%20Ishii_Nat%20Medicine%20%E8%A7%A3%E8%AA%AC.pdf
*4技術評論社 桂義元 免疫はがんに何をしているのか? 見えてきた免疫のメカニズム 2016/12/25

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このページの最終更新日時: 2021-09-24 (金) 14:57:01