健康用語WEB事典

カスパーゼ1(caspase-1)

インフラマソームによって活性化されるカスパーゼIL-18の成熟に関わる。*1

かつてはアポトーシスには関与しないと考えられていたが、神経細胞ではアポトーシスマクロファージではパイロトーシスを起こすことが知られている。細胞質ガスダーミンDの有無により異なるタイプの細胞死を引き起こすことが報告されている。*2*3

カスパーゼ1はもともとIL-1β変換酵素ICE)として同定された酵素であり、その活性化は炎症性サイトカインIL-1βIL-18を成熟型へとプロセシングする。さらに、ガスダーミンDGSDMD)を切断することで細胞膜孔を形成させ、細胞質成分の流出を伴う細胞死である Pyroptosis を引き起こし、成熟型となった炎症性サイトカインを放出することで、炎症応答を惹起する。*4

*1兵庫医科大学|IL-18による免疫制御に根差した免疫チェックポイント阻害薬の抗腫瘍効果増大とその機序に関する研究: http://www.hyo-med.ac.jp/research_facilities/seeds/_2806.html
*2メタカスパーゼは植物のプログラム細胞死を制御するか? 南淳 鶴岡工業高等専門学校物質工学科: https://www.tsuruoka-nct.ac.jp/wp-content/uploads/2013/04/kiyou47_73-84.pdf
*3プレスリリース ~神経変性疾患などの発症メカニズム解明へ~ 細胞自殺酵素カスパーゼ1が二種類の細胞死を使い分ける謎を分子レベルで解明|研究実績・成果|金沢大学新学術創成研究機構: https://infiniti.adm.kanazawa-u.ac.jp/events/?results=%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%80%80%EF%BD%9E%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E5%A4%89%E6%80%A7%E7%96%BE%E6%82%A3%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%81%AE%E7%99%BA%E7%97%87%E3%83%A1%E3%82%AB
*4インフラマソーム (Inflammasome) 唐澤直義 高橋将文(自治医科大学 分子病態治療研究センター): http://www.nips.ac.jp/thermalbio/handbook/2-11v2.pdf

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このページの最終更新日時: 2019-10-02 (水) 12:08:40