健康用語WEB事典

キチン(chitin)

ムコ多糖不溶性食物繊維のひとつ。不溶性の硬い結晶。N-アセチルグルコサミングリコシド結合によって直鎖状に数千〜数万個つながった構造を持つ。*1

組織細胞の硬く維持するために必要な成分で、エビやカニの殻の構成成分(甲殻類の支持組織)でもある。キノコなどの類の細胞壁や昆虫の外皮にも含まれる。*2

キトサンは、キチンのN-アセチルグルコサミンの構造の一部がグルコサミンに変わった多糖類。キチンおよびキトサンには、抗作用、降コレステロール作用、内環境改善効果などがあるため健康食品やサプリメントなどが市販されている。

キチンは体内の酵素で分解され吸収される特性があるため、手術用の縫合糸や人工皮膚など医療用にも用いられる。

カニの殻などから得られるキチンナノファイバーが腸管皮膚に健康増進効果を与えることが報告されている。

キチンナノファイバーが腸管炎症を緩和することを明らかにしている.腸管急性炎症を誘発させたモデルマウスに対して,キチンナノファイバーを飲みの代わりに自由摂取させる.3~6日間の服用により腸管炎症および線維症が大幅に改善したことが組織学的な評価によって確認された.キチンナノファイバーの服用に伴い,大腸組織内の核因子κBNF-κB)が減少したこと,血清中の単球走化性タンパク質-1MCP-1)の濃度が減少したことが炎症反応の改善に寄与したと思われる....

キチンナノファイバーを塗布することにより皮膚の健康を増進することを明らかにしている.先天的にのないマウスの背面にキチンナノファイバーを薄く塗布する.わずか8時間で表皮厚および膠原繊維の密度が増加することが組織学的な評価によって確認できた.*3

*1第1話-キチン・キトサンの生体医用材料としての有用性: http://www.chemmater.kansai-u.ac.jp/biofunc/07-Intro%20of%20chitin%26chitosan/Capter%201-Biomedical.html
*2カニ殻は宝の山 エビ殻も宝の山: http://www.nodai.ac.jp/journal/nakanishi/1001_02.html
*3カニ殻由来の新素材「キチンナノファイバー」の製造とその利用開発 伊福伸介 鳥取大学大学院工学研究科: https://katosei.jsbba.or.jp/view_html.php?aid=411

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このページの最終更新日時: 2018-04-19 (木) 09:31:56