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ギ酸(formic acid)

最も単純なカルボン酸蟻酸とも表記される。示性式は HCOOH

ギ酸(蟻酸)の化学構造

他の脂肪酸と異なり、アルデヒド基による還元性を持ち、強い酸性度(低いpKa)を示す。*1

天然には蟻や蜂などの毒腺中やイラクサ、松、モミの葉などの植物に含まれる。産業分野では燃料や化学製品、エネルギー貯蔵媒体として利用される。ギ酸脱水素酵素によって二酸化炭素からギ酸を人工的に生成できる。*2*3

建材のホルムアルデヒド酸化によって生成されるため、室内大気中に存在する。皮膚粘膜に対する強い刺激性があり、アレルギー様症状を引き起こすことからシックハウス症候群に関与するとされる。*4

熱水によって分解される。熱水が比較的高温でない場合は一酸化炭素、高温の場合は二酸化炭素水素に分解され、後者は可逆反応であることが報告されている。*5

*1ギ酸の工業的合成とその利用(基礎化学品製造の実際と高校での教育実践): https://www.jstage.jst.go.jp/article/kakyoshi/60/8/60_KJ00008195825/_article/-char/ja/
*2国立大学法人 大阪教育大学 ギ酸: http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~hiroakio/OCDB/HydrocarbonOxygen/formic%20acid.htm
*3二酸化炭素→ギ酸生成における 酵素触媒変換効率を約560倍向上させる分子の開発に成功 — 大阪市立大学: https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2016/160820
*4東海大学大学院理学研究科化学専攻 室内空気中のギ酸の生成機構に関する研究: http://www.sc.u-tokai.ac.jp/sekineLB/Usuki.pdf
*5京都大学化学研究所 水化学エネルギー(AGC)研究部門 客員教授 中原勝 特定助教 辻野康夫 研究内容 ギ酸の水熱反応の応用: https://www.scl.kyoto-u.ac.jp/~nakahara/

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このページの最終更新日時: 2019-06-24 (月) 09:07:17